違和感がある日 2
礼輔は、冷静になろうと努めた。
米田川 由美。大学の同じクラスで、割と仲がいい何人かの一人だが、二人きりで行動したりするほどの仲ではなく、まして、家で裸で寝ている、なんていう仲では決して無かった。
由美は、近くにあったビール風飲料の空き缶を手で払い、その、全く何も着けていない姿に全く恥じらう様子もなく、立ち上がって、礼輔の方に歩み寄った。
「ねぇ、セックスしよー」
礼輔が反応する前に、由美は礼輔のパジャマのズボンとトランクスを同時に脱がした。
「準備できてるじゃぁん…でも皮被って、どうしたの??」
「あ、あの…」
確かに普段は平常時でさえ剥けていたそれは、勃起しているにも関わらずすっぽりと亀頭を覆っていた;
なんだよ;なんだよ;
微妙な変化がこんなところにも現れたってことなのかぁ?;
仕方なく礼輔は、自分の指でそれを捲り下ろす…
「うゎあぁ〜綺麗なピンクぅ〜!!れい君のじゃないみたぁいぃ〜♪」
由美のイメージにある俺のモノは、もっときれいじゃなく黒ずんでいるのか…;と礼輔は思った。
変化…
礼輔の知っている由美は、古典的なSFや、ラノベが好きだった。今ある違和感のことを、由美と話せそうだ、と彼は考えた。
しかし、礼輔のスイッチももう入ってしまっていて、由美を今止めるのがいいとは彼は考えなかった。
「れいくぅん〜」
由美は唇を礼輔の唇につけ、すぐに舌を礼輔の舌に絡ませた。そして、そうしながら、手早くパジャマのボタンを外した。
あっという間に礼輔は素っ裸に剥かれてしまう。
その手慣れた動きは、礼輔の今まで知った奥ゆかしそうな由美とは別人に思えた。
これは微妙な変化なんかじゃなくて、列記とした変化だよな?…
でも、本当は知らなかっただけで、由美は元々こういう子だったんだろうか?…
「うふ…いただきまぁすぅ♪」
由美は礼輔の前にしゃがみ込み、パクッと聳えた勃起を咥え込んだ…
礼輔はほどなく我慢できなくなってしまいそうになるほどの由美の舌さばきだった。
それでも礼輔は、ただ立っているだけでなく何とか周りを見渡して情報を得ようとした。
照明はついていないので、2階でのように色が違うのかはわからなかった。
ただ、カーテンの色は2階でのスリッパと同じくライトグリーンになっていた。
そのほかの物は本当に雑然としているし、さっきの空き缶など目立たないほどゴミも落ちている。
礼輔は、過去に母親が一週間ほど不在にした時に自分で何とか台所を使って食事を作っていた時のことを思い出していた。
そんな状況と、似ていた。
母さん…;
彼は母親のことを思った。
普段なら椅子に掛けてある母親のエプロンなど、母親を感じさせるものが、見当たらなかった。