全てが叶うスマフォ 36
飛鳥さんのドリンクの効果か、精子の勢いがいつもと違う。
遥さんと繋がったまま、身体を少しずつ動かして、少しでも多く、奥まで精子が届くように掻き回す。
「…一郎くん、どうしたの?今日のすごかったよ」
「いや、俺も正直よくわからないんです…」
「うん、でもいいよ。気持ち良かったから…」
「遥さん…」
「まだ一郎くんの精子、私の膣に来てる…すっごく熱いの。これじゃあ本当に妊娠しちゃいそうだよ?」
色っぽい笑顔でそう言う遥さんに、俺も笑顔で返す。
「いいですよ。一緒に育てましょうよ」
「…さすが、一郎君ね」
そして、お互いに顔を近づけ、長いキスをした―
長い一日が終わり、家に帰る。
…今日一日で、何回やったかな?
スマホを拾ってからはそんな毎日である。
まあ、設定で何とかなるからいいんだけど。
「お帰り」
優しい笑顔の女性が、俺を迎えてくれる。
親父の再婚相手・幸恵さんだ。
確か、遥さんとそんなに歳が離れていないような気がする…
『母親』というには若すぎるのだ。
いったいどうしたら一回り、いや二回り近く歳の離れた女性と知り合えるんだと親父に聞いてみたこともあったが
「それは言えないな」
とはぐらかされた。
それでも、夫婦仲はとてもいいから安心している。
親父と幸恵さんの二人で買い物はもちろん、旅行にも行ったりしているし、何より夜の営みもほぼ毎晩のようにしているからだろう。
たまに部屋を通る際にギシギシというベッドの軋む音や幸恵さんの喘ぎ声が漏れてくることがあった。
親父は親父で羨ましいものだ。
「…どうしたの?一郎君」
「ああ、いや、別に…」
「今から晩御飯作るからね♪」
そう言うと幸恵さんはキッチンに立つ。
自分とも大して歳が離れていないけど、その姿は年齢差以上に大人の女性に見えた。
手際よく料理もこなしていく。
「学校楽しい?」
「え、あぁ、はい」
何気なく聞かれても、こちらはドキドキして仕方ない。
「それなら良かった」
そう言うけど、幸恵さんの表情は、どこと無く寂しげだ。
それもそのはず、親父は現在出張中で、しばらく家には帰ってこないからだ。
―しばらくして
「出来たよ♪」
夕食が出来たようだ。
「いただきます」
幸恵さんの手料理。
この人は、何を作っても美味しいと思う。
若いのによく出来た人だ。
…見習うべきところも多いな。
「美味しい?」
「は、はい」
優しい笑顔が可愛らしい。
幸恵さんは魅力的な女性だ。
やりたいと思ったことは何度もある。
…スマホを使えばなんとでも出来ると思うが、それは親父に対して申し訳ないという気持ちが強く、今まで一度も実行したことは無い。