小暖化 3
私は海の方を見ながら話した。
「それはびっくりだよねえ」
「そうだよ」
「それで、ミョン君は、どうしたいの?その子をルームメイトとして受け入れるようにするの?男子のルームメイトに替えてもらう、それとも、一緒の部屋になりたい女子が居たりする?」
「男子に変えてもらうつもりだ。どうも合わない」
ミョン君は言いきった。
「男子って…候補は居るの?」
「ああ、マルガというのが居てな。その男子とはルームメイトについて既に話もしているところ。現時点でマルガに決定するかはまだ確定じゃないけど」
マルガという名には聞き覚えがあった。確か、この前の特別授業で私の斜め前に座っていた子だった気がする。
筋肉質で男らしい雰囲気の子だったと思う。
でも、私とはあまり接点がないからあまりよく知らないんだけどね…。
私には、そういう男臭い話は、よくわからない。私は少し羨ましいと思った。
「へえ、じゃあ、もう部屋割りは決まりかけてるんだね」
「まあな。そういえば、エリカはどうしてここに来たんだよ。いつもなら教室に残ってるのに」
「んー、ちょっとね……」
「エリカも、なんか考えること、あったの?」
「うん、何か、やっぱり、君と同じように、ちょっと理解しにくい、後輩女子に会ってね」
「ふぅ〜ん……」
「……なんとなくだけど、ちょっと苦手かも……その子」
私はあの時、あの瞬間を思い出して言った。
『あ、あひぃいっ!♪ だめぇぇ!♪ こんなぁぁあぁっ!♪』
「ええっ?」
「あ、いや、その子、そんな声出してたんだ」
やがて、夕日は沈んでゆき、私とミョン君は寮に戻っていく。
マヤちゃんと、どんな顔で会えばいいんだろう…