“ホワイトスパーク”
それは小学３〜６年生の男子12人から成る、歌って踊れてスポーツのできる少年アイドルグループである。メンバーは皆、ルックス、スタイル、体力、運動能力、歌唱力に優れた選りすぐりの者ばかりである。
“カッコよくカワイイ”がキャッチフレーズで、幼児から中高年まで、幅広い年齢層の女性たちに高い人気を誇る。また、ホワイトスパークは『いじめ・虐待撲滅キャンペーン』のシンボルにも選ばれている。

ホワイトスパークのメンバーの条件は、ルックスやスタイルに優れた小学３〜６年生の美少年で、知力、体力、健康状態、運動能力、歌唱力に優れていることで、オーディションにおける厳しい審査によって選出される。
メンバーは定員12人となっており、小学校卒業と同時にグループ卒業となり、その分、オーディションで選ばれた新たなメンバーが加入するシステムになっている。よって、毎年２〜４人、メンバーが入れ代わるようになっている。

メンバーのスタイルについて。
まず、シャツだが、白を基調としたＴシャツで、首回りや肩の位置が赤く染まっており、胸には上段に“WHITE”、その真下に“SPARK”と、アルファベットでグループ名が表記されている。そして、メンバーのシャツにはそれぞれ個々の背番号が付いている。
このＴシャツに白い半ズボン、白いハイソックス、白いスニーカーといったのが基本スタイルである。また、時には切れ込みを入れてハイレグカットにした短パンを履いたり、シャツの裾を折り込んで、ベルトのバックルのすぐ真上からヘソがちょこっと見えるといった格好にもなった。
プールやビーチなどで活動する場合、水着はお揃いの真っ白なビキニパンツを着用することになっている。

ホワイトスパークのシャツは背番号抜きの者がネット通販で売り出されており、多くのファンが購入し、ホワスパシャツの通称で親しまれている。また、ホワスパルックと称して、ホワスパシャツに、白いミニスカートあるいはホットパンツ、白いハイソックスといったスタイルになる女子小中高生が数多く現れた。

かつて、1970年代後半から80年代前半にかけて或る少年合唱アイドルグループが存在したが、多くの人々が魅了され、その素晴らしいボーイソプラノの合唱によって心を和ませられた。某財閥令嬢の一宮聖羅（いちのみや　せいら）は子供の時、その少年合唱アイドルグループの魅力に心を引き寄せられ、それが解散になった時、非常に惜しんだ。そして時を経て、芸能プロダクションを設立した聖羅は、それと同様、否、それ以上に素晴らしい少年アイドルグループを世に出すことを決意した。そして結成されたのがホワイトスパークである。
グループ名についてはいろいろと考えた末、ホワイトスパークとしたわけだが、これには「純真で力強く眩しい輝きを持った少年たち」という聖羅の思いが込められていた。

大都市近郊の或る町に大規模なスポーツセンターがあるが、そこは一宮家によって設立された施設で、聖羅がオーナーとなっている。聖羅はそこの隣に邸宅を構えて住んでいたが、増改築をして合宿施設や事務所を設けた。そして、そこでホワイトスパークのメンバー達に合宿生活をさせた。
また、すぐ近くには、一宮家が創立した一宮学園があり、そこの初等部にメンバー達を通学させた。これは学業が疎かにならないようにとの聖羅の配慮だった。

ホワイトスパークの活動は、学校のある日は放課後からだが、休日はほぽ丸一日かけて行われる。
合宿所となっている聖羅の館には、歌やダンスのレッスンをする為のホール、撮影やレコーディングを行うスタジオ等が設けられていた。
隣接するスポーツセンターには、大きな体育館や屋内プール、広大な運動場等が備わっており、そこはホワイトスパークのスポーツのトレーニングの場として活用されるようになった。また、そのセンターは、コンサートやスポーツ大会など、ホワイトスパークが出るイベント会場として度々利用されている。

ホワイトスパーク卒業後のメンバーには、在籍中に鍛えた歌唱力やダンステクニック、運動能力などを生かし、芸能界やスポーツ界での活躍を目指す者が多い。
例えば、結成５年目に小学３年生で加入した岡本夏樹だが、卒業後に一宮学園とは別の中高一貫の私立校に入学して、そこの野球部に入部した。夏樹は将来プロ野球選手になることを夢見ていた。
夏樹はホワイトスパーク卒業から５か月後の中学１年の夏、『第１回ビキニボーイ＆ビキニガールコンテスト』に出場したが、その時に知り合った１歳下の少女、高山理恵と恋仲になった。理恵はホワイトスパークのナッキーの大ファンだと言った。ナッキーとは夏樹のホワイトスパークでの愛称である。
その後、理恵は夏樹を慕い、夏樹が通う私立中学を受験し、合格して一緒に通うことになった。