若妻 花 41
42才とは思えない若々しい容姿は、学園の象徴との呼び声が高く、身長172pB93W61H92というダイナマイトボディは同僚の男教師達の垂涎の的だった。
一方のまりやは、1年目の新人で22才、一貫校の同学園を卒業し、就任したてながら学生時代から成績優秀で、いきなり担任を任されていた。
学生時代はラクロス部でも活躍する才媛で、身長168pB83W59H85と抜群のプロポーションの美女である。
「藤島先生、西口先生、ちょっと……」
職員室に入ってきた教頭の田渕が、紀香とまりやに深刻な表情で耳打ちする。
「は、はい……?!」
2人は怪訝そうに顔を見合せ、教頭室に促され入って行く。
「実は……橋野達のことなんだが……」
田渕が歯切れ悪そうに切り出す。
「何か分かったんですか?!」
「彼女達、何処に?!」
紀香とまりやが急かすように、田渕に訊ねる。
「う〜ん……それが困ったことになってねぇ……」
「何です?困ったことって?」
「3人は無事なんですか?!」
心配から必死の面持ちで詰め寄る紀香とまりやに、田渕はたしなめるような口調で説明し出した。
「現在、彼女達は私の知人に保護してもらってるんだが、どうやら援助交際をしてたようなんだ」
眉間に皺を寄せ語る田渕の言葉に、紀香とまりやは驚いて言葉を失う。
「そんな……信じられない……」
「嘘、何かの間違いです!」
絶句する紀香と庇うように抗議するまりやを、田渕が諭すように言葉を繋ぐ。
「取り敢えず彼女達に会って、詳しい事情を聞こうじゃないか」
紀香とまりやは田渕の言葉に頷き、3人で学園を出た。
「ここだ」
田渕の案内で到着した雑居ビルの階段を上り、紀香とまりやは『桜井興業』と看板を掲げられた事務所のドアを開ける。
部屋の中央に置かれたソファーに、人相の悪い大柄な2人の男と、特徴的なギョロ目をした小肥りの中年男が座っていた。
「社長はいるかい?」
田渕が訊ねると、色黒のマッチョな男が会釈して立ち上がり、隣の部屋のドアを開けた。
「どうもどうも先生、ご足労願って申し訳ない」
慇懃な笑みをうかべながら、スキンヘッドの屈強な体躯の男が現れた。年齢は50を越えているように見えるが、大柄で恰幅のいいガタイは、ただならぬ威圧感を放っていた。
「田渕先生、こちらのご婦人方は?」
桜井が舐めるような視線を女教師達に向け訊ねる。
「学年主任の藤島先生と、担任の西口先生です」
紹介された紀香とまりやが、軽く会釈をして桜井に訊ねた。
「生徒達は何処に?」「会わせてください!」
矢継ぎ早に問い掛ける女教師達を制するように、田渕が諌める。
「まあまあ、2人とも落ち着いて」
「心配ありません、大事に保護してますよ」
桜井が意味深な冷笑を浮かべ応えると、周囲の男達が噛み殺すような笑い声を洩らした。
不振に思った紀香とまりやが、戸惑いと警戒で身を固くする。
「どうぞ、こちらへ」
桜井が2人を促し、隣の部屋に招き入れた。
「……何……っ?!」「いゃ……っ!!」
部屋に入った紀香とまりやが目にしたものは、全裸で両手足を拘束された3人の女生徒達だった。
「一体これは、どういうことですか?!」
「誰が……こんなこと……?!」
驚愕と憤慨に駆られる紀香とまりやを、いつの間にか男達が取り囲む。
「教育的な指導を施しただけですよ」
田渕が冷徹に云い放つ。
「悪さした子供は、しっかり躾ねぇとな♪」「そうそう」「まぁ体はしっかり大人だったけどな、ガハハ♪」
男達が好色な高笑いを響かせる。
「こんな真似、許されないわ!」「け、警察に……!」
携帯を取り出そうとしたまりやを、褐色のマッチョ黒田が取り抑える。
「きゃっっ!い、いやっ…… 放して!」
「どういうことなんですか、教頭先生!説明してください!」
怒りの形相で詰め寄る紀香に、田渕が冷笑を浮かべ応える。
「藤島先生、学校経営は綺麗事だけでは立ち行かないんですよ。清濁併せ呑むことも、時には必要なんです」
「おっしゃってる意味が、わかりません?!」
「せっかく金になる顔と体持ってんだ、使わねえ手はねぇだろうよ、えぇっ?」
桜井が恫喝気味に口を挟む。