初体験はお姉ちゃんそして…… 62
「……というわけで夏休みも気を抜かず事故のない……」
校長先生の訓示が終わり成績表が配られた。
「なるほどなるほど。やっぱ体育か……」
校門の前でお姉ちゃんが待っていた。
「もう終わった?」
「いつも待ってなくても良いのに。」
「別に嫌じゃないわよ。」
「だったらいいけど。」
「で、今日はこれからどうするの?」
「これから沙耶と出かける。」
「今から?遅くなる?」
「明日まで泊りがけ。」
「そう。気を付けなさいよ。」
「う……大丈夫だと信じたい。」
「ふふふふ。」
「ただいま。」
「お帰り〜。お兄ちゃん行こう〜。」
「着替えるまで待て。それから忘れ物チェックするから。」
「は〜い。」
「じゃあ行って来ます。」
「行ってきま〜す。」
「まずどこに行く?」
「お昼食べよ。」
「どこで食べる?」
「駅前に出来た新しいお店があるでしょ〜。沙耶あそこ行ってみたい。お兄ちゃん行ったことある?」
「じゃあそうしよう。行ったことあるよ。」
「いつ行ったの〜?」
「前の日曜日。」
「舞お姉ちゃんと出かけたとき〜?」
「そう。」
「ずる〜い。」
「そう言われても……」
「沙耶は〜ベーグルセット〜」
「じゃあ……レタスハムサンド」
「かしこまりました。」
「ねえ沙耶、怒ってる?」
「怒ってないけど、いっつも舞お姉ちゃんとばっかり……」
「確かにそうだけど……だから今日こうやって……」
「だから明日までは独り占めするよ。」
「ものみたいに言うなよ。」
「えへへへ。」
「お待たせいたしました。」
「早く食べよ。」
「そうだな。」
昼食を済ませた。
「ところで沙耶、何でそんなに荷物が多いんだ?」
「秘密〜。」
「じゃあ先にホテル取っとくか。」
「何で〜?」
「部屋が埋まったら泊まれないし、荷物置いておけば動き易いだろ。」
「そ−だね〜。頭良い〜。」
というわけでホテルに行って二人部屋を確保。
「手荷物はこれくらいで良いか?」
「良いよ〜。」
「じゃ次はどこ行く?」
「前行ったゲームセンター行こ〜。」
「……ま、今日は沙耶に付き合うか。」
「わーい。やった〜。」
「約束だしね。」
「ありがと〜。早く行こ〜。」
「分かった分かった。」
「じゃあメダルを1000円で・・・・・・」
「1枚でいいよ〜」
「はぁ?何も出来ないぞ。」
「これで増やせばいいじゃん。」
「えーと『大逆転スロットマシーン』か。」
絵柄が揃えばそれに応じた倍率でメダルが増えるやつだ。
「やってみるか。」
「うんっ。」
カチャンプルルルルッ
チャチャーン
「やった〜。10枚獲得〜」
「・・・・・・参った。沙耶上手過ぎ・・・・・・」
「へっへ〜すごいでしょ。」
「じゃあどうする?」
「これ全部かけてもう一回これやる。」
「大胆な事するな・・・・・・」