初体験はお姉ちゃんそして…… 199
「あ、そうだ。シュガートースト作ってあげるわ。」
「わぁ……舞お姉ちゃんのシュガートースト久しぶりぃ。あれ大好きだったんだぁ」
「沙耶も〜嬉しい〜。」
「ふふ。ちょっと待っててね。」
「お姉ちゃん、ありがとう。」
「いえいえ。あら?そんな紅茶あったの?」
「『秘蔵財産』だよ。」
「お人好しも程々にね。」
チーン
「あ、出来たわ。」
「茜と沙耶は先に食べてて良いわよ。」
「ありがとぉ。」
「いただきま〜す。」
「ふふふ。」
茜と沙耶は夢中でシュガートーストをかじっている。
チーン
「あ、できたわ。」
「美味しそう……」
「ふふありがと。」
朝食を終えると
「今日の洗い物は茜の順番よ。」
お姉ちゃんが言った。
「はぁ〜い。」
「素直で結構。」
「沙耶は〜お風呂掃除の当番だからやってくるね〜。」
「待った。」
「お兄ちゃん何〜?」
「残り湯で庭に打ち水してくる。」
「終わったら教えて〜。」
打ち水はすぐに終わった。
「沙耶〜終わったぞ〜。」
「じゃあお風呂掃除するね〜。」
「行水じゃないのぉ?」
洗い物を終えた茜が冷やかしている。
「さて、私はお昼と夕食の買い物に行ってくるわね。」
お姉ちゃんが立ち上がった。
「行ってらっしゃい。」
「何かリクエストは?」
「今日は〜カレーが良い〜。」
「分かったわ。」
沙耶の一声で夕食が決まった。
「僕は二階の部屋を掃除してくるね。」
僕は二階に上がった。
お姉ちゃんは帰ってくると早速料理を始めた。
12時過ぎお姉ちゃんが
「お昼出来たわよ。こんなもので良いかしら?」
と言った。
メニューはご飯、ほうれん草のおひたし、納豆(生卵、ねぎ、大葉入り)、メロンである。
「舞お姉ちゃん十分だよぉ。」
「沙耶も〜そう思うよ〜。」
「早速頂きます。」
昼食を食べながら
「あ、私今日午後から部活ぅ。」
と茜が言った。するとお姉ちゃんが
「あ、帰りにゴム手袋買ってきて。」
と言う。洗濯や食器洗いで手が荒れるのを防ぐためのようだ。
昼食を済ませ茜を見送ると
「じゃ〜沙耶が食器洗うね〜。」
と言った。当番表をしっかり覚えているようだ。
「お兄ちゃ〜ん。もう夏休み部活はなかったっけ〜?」
「そうだね。休みも後5日か。」
「でも〜お兄ちゃんとの共同制作も終わったし〜指揮法も覚えたよ〜。」