初体験はお姉ちゃんそして…… 182
さて、夕食後リビングでテレビを見ていると
「ねえ、あのクッキーどこにあったのぉ?」
と茜が訊いた。
「え?僕の部屋に保管してあったけど……どうして?」
「あれお兄ちゃんのだったのぉ?」
「そうだよ。ちょっと奮発して買ったんだよ。」
そこへ
「あ〜ごめん。全部食べちゃった〜。」
と言いながら沙耶がリビングに入ってきた。
「良いよ。」
「でも〜ご馳走してもらってばっかで悪いな〜。」
「お兄ちゃんも優しすぎるよぉ。」
「ふふ。そうかもね。」
ガチャ
「ただいま。」
お姉ちゃんが帰ってきた。
「あ〜舞お姉ちゃんお帰り〜。」
「ちゃんとご飯食べた?」
「沙耶とぉお兄ちゃんが作ってくれたよぉ。」
「そう。お疲れ様。」
「あ、紅茶淹れようか?」
「あら、ありがと。」
僕は紅茶とさっきのクッキーを出した。
「あら?このクッキー高いんじゃないの?」
お姉ちゃんは知っているようだ。
「ちょっと前から売ってるけど高くて手が出ないのよね。どこかに買い置きしてあったの?」
「前にちょっと奮発して買ってきたんだ。でもなかなか食べる機会がなかったから。」
「それは悪いわ……」
すると
「それぇ……いっぱいあったんだけどぉ……私と沙耶でぇ……」
「殆ど食べちゃった〜。」
「そうなの?」
「僕が20枚買ってあったのをお姉ちゃんの分だけ残して全部出しただけだよ。」
「え〜?アンタそんなに買ったの〜?それに二人ともそれ全部食べちゃったの?」
「僕も一枚食べたけよ。」
「それでも二人で8枚ずつ食べたってことでしょ?」
「美味しかったからつい……」
「沙耶……それ高かったって知らなかった〜」
「まあしょうがないわね。で、本当に頂いちゃって良いの?」
「うん。遠慮しないで。」
そのまま11時になっても両親は帰ってこない。すると沙耶の携帯にメールが入った。
「パパからだ〜。」
「何だって?」
「今日は泊まって来るから防犯ロック掛けちゃって良いって〜。」
「そうか。じゃあ掛けて来るね。」
「うん。お願いする〜。舞お姉ちゃ〜ん、茜お姉ちゃ〜ん。パパとママ泊まって来るって〜。」
そういうわけで今日はもう寝ることにした。
僕が横になったとき沙耶と茜がベッドにもぐりこんできた。
「ちょっと……待てって……」
「お兄ちゃんさっきのお礼だよぉ。」
「だから〜抵抗しないで〜。苛めないから〜。」
「そういうことじゃなくて……」
「あんまり暴れると縛るよぉ。」
「う……」
僕は硬直した。茜の一言に硬直してしまう自分が恥ずかしかった。
「まずは沙耶がやるね〜。」
沙耶は僕に横から抱きついた。