初体験はお姉ちゃんそして…… 113
コンパクトコースターは小さなローラーコースターだ。
「これなら沙耶でも怖くないよ〜。」
「絶叫系はだめか?」
「うん。あんま好きじゃないし〜酔っちゃう。」
「そうか。」
「お兄ちゃんがど〜してもって言うなら乗っても良いよ〜。」
「沙耶を遊びに連れてきてるんだからそうは言わないよ。」
「お次の方どうぞ。」
『ベルトを装着してください』
アナウンスが流れそして発車。
ガガガガガガガ、ガックン
「うわっ」
キキーッ
「きゃあぁっ」
落下や回転が少ない分ひねる部分が多いコースターだ。
『お疲れ様でした』
「楽しかった?」
「沙耶は楽しかったよ〜。お兄ちゃんは?」
「首が痛くなりそうだったけど楽しめたよ。」
「じゃあ次行こ〜。」
「今度は?」
「大宇宙探検シアターだよ〜。」
「どこだっけ?……あ、あそこだ。」
「あんまり並んでないから〜すぐ乗れそうだね〜。」
「では宇宙の旅をお楽しみください。」
「うわぁ〜綺麗……」
「あれはパルサーだな。あの光は超新星か?」
「お兄ちゃ〜ん、ムードが台無しだよ〜。」
「あ〜ごめんごめん。」
「予定だと〜次の海底遺跡めぐりで〜ご飯だけど〜。」
「もうひとつ位回れるね。」
「そうだ〜お土産やさん行こ〜。」
「そうだね。帰りだと混むから。」
「じゃあ海底遺跡めぐり終わったらお土産買ってお昼ご飯ね〜。」
「じゃあ海底遺跡めぐり行くか。」
「あ〜金貨が箱に入って落ちてる〜。」
「あんなに整頓されて沈むかな?」
「すご〜い。あれ刀だよ〜。」
「なんで汚れてないんだ?」
「あれ祭壇かな〜?」
「保存状態が良過ぎな…」
「お兄ちゃん余計なこと言わないで。」
「ごめんごめん。」
「全く……大宇宙探検シアターも海底遺跡めぐりも……」
「そう怒るなよ。」
「怒ってないけど〜。もうちょっと〜……」
「悪かったって。」
「次はお土産だね〜。」
確かに怒ってはいないようだ。
「ねえお兄ちゃ〜ん古代探検のガイドブックあったよ〜。」
「ほかに買うものは?」
「お菓子と〜この帽子もいいな〜。」
「僕は部活に何か買っていこうかな。」
「沙耶決まったよ〜。」
「一緒に払うから持っておいで。」
「全部買ってくれるの?」
「買ってあげるよ。」
「わ〜いありがと〜。」
「これ送ってもらえますか?」
「かしこまりました。ご住所とお名前を……」
「はい。じゃあお願いします。」
「全部送ったの〜?」
「うん。邪魔になるからね。」
「茜お姉ちゃんと行った時は〜?」
「コインロッカー使ったけどとりに行くのも面倒だからね。」
「そっか〜。」
「今日は荷物も少ないし、教訓が生きてるな。」
「茜お姉ちゃんと行ったのは〜沙耶のための〜予行演習だったの〜?」
「そういうわけじゃないな。」
「残念〜。」