学級崩壊……? 23
坂下先生は続ける。
「中2と中3の妹がこの学校にいて。今の話の通りなら、上の妹のクラスメートにここのクラスの子のお姉さんがいて、その子から上の妹に、そして下の妹に話が伝わった、ってことになります…よく、言って聞かせないと。このクラスのことは秘密だ、って」
「秘密というか必要以上に関わるなですかね。あのクラスの子達がビッチなのはもう学校全体に知れ渡っていますし。つまみ食いされてる男子は山ほど居るだろうから遅かれ早かれこの臨海学校の事もバレてたんじゃないですか?」
秘密というか彼女達は隔離なのだ。
これ以上他の生徒達がビッチ化しない為の。
「君たち、これで懲りただろうから、もうこのクラスの子に関わろうとしないように」
坂下先生は男子二人の正面に行ってそう命じた。
「「はい!」」
二人は弾かれたようにそう応えた。しかし、俺は気づくべきだった。二人の、特に明久君の眼に「面従腹背」の炎が燃えていたことに。
「朝早く起こして飯も食ってないだろ、食堂で特別に出してもらうから行って来いよ」
「ありがとうございます!」
男子2人は小部屋から出て行く。
まあ、明日にはうちのクラスとは別々で送還だろうな。
「関わるなって言われたけど、あそこまで男の尊厳を傷つけられたら黙って引き下がるわけにはいかねーだろ」
「だけどなぁ…」
怒り収まらぬ中勢いで白飯をかき込む明久。
「昨日は2対2だったから、女のほうが有利だったんだ。男が束になってかかれば、あいつらだって笑ってばかりもいられないだろう…この臨海学校、2泊3日なんだから今日の放課後、クラスの男子来れるやつだけでも集めてさ」
「あんまり大勢集まったらすぐ見つかって追い返されるんじゃないか」
「それな」