学級崩壊……? 24
明久は雅人に対しニヤッと笑って見せた。
「祐誠ん家の別荘、この近くにあるんだってよ」
「マジか」
「最初から気づいておけばよかったんだよな…」
「でも、この区域って監視されてるし…」
「この辺のセキュリティ強化も祐誠ん家がかかわってるらしいぜ」
祐誠、というのは2人の同じクラスの悪友である佐久間祐誠。
金持ちの家の息子でもある。
「そうなんだ…もしかして、あれがそうなのか?」
雅人は窓の外、海と反対側の松林の中の2階建ての、ちょっとしたホテルかと思うような、それでいて看板も人気もない建物を指した。
「そうかも…よし、祐誠に連絡だ」
「へー面白そうな事企ててるじゃん」
「大勢であたし等回そうなんて中々悪どい事考えてるね」
「げっ!有坂と内田!!」
「うそ!?」
悪巧みを企てていた二人の後ろから有坂郁美と内田優愛が現れ二人を抱きしめた。
「みんなー!男ゲットしたよー!」
「えっマジ、ラッキー!」
「やったチンポだ!」
優愛が食堂の外へ向かい声を掛けるとたまたま近くにいた川上舞と宮島有紗が反応した。
その瞬間男子二人の顔が一瞬で青ざめた。
「あのね、ヤリたいのは分かるけど、集合時間だよ」
開いた扉のところに、学級委員沢城真奈が立って静かにそう言った。
「はいはい。委員長さん」
四人はすごすごと引き下がる。
「君達!その企て、今晩実行してもらおうか。私達はクラス全員で相手する!私達を圧倒するくらいたくさん男呼んできたら、そのときは、参った、って言ってあげよう」
「ちょっと、優愛、委員長の前でそんな」
「もちろん、委員長さんだって、夜はヤリたいでしょ」
優愛は真奈に向かって言う。
「そ、そんな?私は…」
優愛から突っ込まれて真奈はしどろもどろになる…男子2人をチラチラと見ながら。
「ね、やりたいでしょ」
「い、いいから。2人ともやりたいなら勝手にすればいいけど、どうなるかなんて知らないからね」
真奈は男子2人にそう告げ、優愛たちを集合場所へと向かわせた。