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神装機伝アハトレーダー
官能リレー小説 - SF

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神装機伝アハトレーダー 32

とにかく一刻も早く離脱せねば。しかし、2機を離脱用ブースターの置かれたポイントまで誘導するのは不味い。
ここはフェイントを織り混ぜつつ逃げ回り、相手を撒くのが有効に思えた。
だが、どこに罠があるかわからない状況でむやみに急旋回を繰り返すのは危険だ。
完全な自業自得だった。手持ち武器が失われた時点でさっさと引き返して居れば良かったのだ。
撤退が確定しているのだからまともな武器も無い状態で罠に隠れた民間機を探し出す必要なんて無い。
好戦的な性格が裏目に出ている。そんな暴走しやすい者が残る辺り、やはり作戦が根本から歪だ。うんこかよ。
そのうんこみたいな作戦の象徴がダイダイオなのかも知れない。

ダイダイオのカターリナは基地の跡地へと入り込んでいた。先程まで戦闘のあったそこなら罠は無いとの考えからの行動だった。
基地を経由すると遠回りになってしまうが仕方がない。とにかく背後の2機をどうにかしたい。
通過ついでに使えそうな武器も探す。探索といっても離脱優先なのでざっと周囲を見るだけなのだが。
打ち捨てられた武装は敵味方問わず弾薬切れか破損。
特に味方機の残骸、カターリナを与えられたそれなりのパイロット達は、脱出後の自爆処置が的確過ぎる故であった。
新兵や三下連中にあてがわれたサウスランド五機もほぼ同様。
しかしサウスランドの股間に装着された無事な火器が一門だけ残っていた。

「むぐぐ…よりによってあの男だか女だかわからん餓鬼から武器を借りる羽目になるとは…。」

ダイダイオが嘆く通り、本当にショタだかロリだか解らない年少パイロットの機体、という辺りは問題ではない。
サウスランドの股間砲は標準型の30mmガトリングから支援用の105mmライフル砲と幅広い。
何種類かは一応カターリナ(の股間)にも装備出来る仕様だ。
ただし残されていたのは軽装甲〜対人用30mmグレネードランチャーであった。

「背に腹は変えられん…。」

豆鉄砲に加え機体の持ち主への嫌悪を露わにするダイダイオ。
彼は溜息混じり、ブルーとピンクを基調に塗り分けられたカラフルなサウスランドの残骸を見下ろす。
M字ならぬW字開脚スタイルになるまでリョナられた機体のパイロットはキンキン声で『ひぎぃい〜?らめぇえ〜!』だの悲鳴を上げながら脱出したのだろう。

兎に角ダイダイオは自機からケーブルを接続し武器換装コードを入力、残骸からグレネードランチャーを回収する。
そしてカターリナ側の歪んだ股間装甲を排除、展開した仮設ターレットにグレネードランチャーを装着。

それがもうサマにならない、まるで包茎童貞にも関わらずオナニーで黒光りする短小ペニスであった。
多少人型を崩したサウス系ならまだしも人型のカターリナでは顕著となる。

うんこみたいな作戦のぽこちんみたいな武器。
しかも周辺がグロマンでバイド化してきている。
これもうわかんねえな。
変態糞土方が出て来ないだけまだマシなのかも知れないが…。

武器は手に入れたがもうダイダイオは積極的に攻める事はしない。
離脱最優先というのもあるが、やはり攻撃をためらわせるのはこの外見だろう。
しかしそれが逆に良い方向に働いている。
もし良い武器を手に入れていたら、またも歪んだ攻撃性が顔を出していただろう。
この変な外見がリミッターになってくれている。

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