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孕神
官能リレー小説 - SF

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孕神 30

でもここから先はちょっと事情が変わってくる。
これ以上進めば母親たちも戻れなくなる。司から離れられなくなる。
家族を守ろうとした、彼女たちの意思を人間としての尊厳ごと踏み潰すことになる。
今や大事な人たちとなった勇魚たちのためなら、敵となる人間を倒すことにためらいはない。
だが相手はその大事な人たちの母親なのだ。後で勇魚たちを悲しませるようなことにならないか?
そんな不安が小さな迷いを生んだのだった。
―――どうする?ホントに堕としちゃってもいい?
勇魚たちとアイコンタクトでそう尋ねる。
すると彼女たちはニッコリ笑って肯定した。
―――はい。ママたちも私たちと同じにしてください。
―――そうすればきっとわかってくれると思うんです。
―――司さまと一緒にいれることがどんなに幸せなことのなのかって。
その言葉に司の迷いは消え、3人のメスに手を伸ばす。
あれほど娘たちを守ろうとしていた母親たちが娘と同じ立場になったのはそれから間もなくのことであった。

身も心も堕とされ、司の所有物となった3人の母親たちは、今は主人の足元で安らかな寝息を立てていた。
その顔は無防備で、少女のように愛らしかった。
「ふふ・・・ママたちったらこんなにかわいい顔しちゃってる〜」
「司さま、どうもありがとうございます。私たちだけでなく、ママ達まで愛していただいて」
「・・・うん。ちょっとひどいやり方だったけど、こうなっちゃった以上はちゃんと面倒を見るよ。
 みんな仲良くやっていこうね?」
「「「もちろんです、司さま!!」」」
激しい行為の後の甘いひと時を司たちは過ごしていく。
それはいまだ戦場を知らない若い戦士の短い、つかの間の休息であった―――。



司はこうしていたるところでクラスメートや先輩、後輩。教師だけでなく近隣の未亡人などを次々と手籠めにしていった。
しかしそれはほめられこそすれ、決してけなされることではない。
なぜなら数多くの女性を虜にし、1人でも多くのディーヴァやマイスターを生産することこそが、マイスターの存在意義なのだから。
それに司とて無差別に女性に手を出していたわけではない。
恋人のいる女性には決して手を出さなかったし、もし出したとしても、それはひどい扱いを受けている者だけに限定されていた。
こうして司がマイスターとなっておよそ1年後。
彼の元には一大ハーレムが結成されていた。
美咲と百合花もディーヴァとして順調に成長し、幾度となく実戦も経験していた。
だが人生において何事も順風満帆であることなどありえない。
運命とは突然気まぐれにその風向きを変えてしまうもの。
ようやく地球を守るいち戦力となりつつある彼らには厳しい未来が待ち受けていた。
それは、彼の大事な者との別れである―――。



思わぬ不幸や幸運は、いつも突然やってくる。
司たちもそうだった。
彼らはいつものように、1人前になるべく訓練に精を出していると。
訓練中の司たちに、家族の1人、正確には母の1人が血相を変えてやってきた。
親もマイスターとディーヴァをやっている、ベテランの軍人である。
そんな家族が、訓練中にいきなりやってくるなど、普通しないだろう。
ではなぜ?そう思った瞬間、司たちの背筋に冷たいものが走った。
そして、それは的中する。
乱入してきた母の1人は、はらはらと涙を流しながらその口を開く。

「司・・・。あの人が・・・お父さんたちが・・・」

侵略者に殺された。
それはこの世界ではよくあるはずの、訃報であった。


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