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幼魔鬼譚〜悪戯好きのアリス〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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幼魔鬼譚〜悪戯好きのアリス〜 87

「かつての茨木軍は凄まじい力を持っていた。だから就いたが死に物狂いの赤千穂に負けた。
後悔したね。
負けたことにじゃなくて楽しめなかったことに。
今度は強くても弱くても楽しめる方に就こうって思っただけだ。」
パワーバランスは赤千穂よりだがほぼ均衡。
モニターを壊された茨城と目を光らせ続けてもどこか心もとない赤千穂。
「さてさて。俺はどっちに着くべきかな?」
「相変らずふざけた奴め……」
 怒りに声を震わせ、炬俐が狂骨へと近づいて行く。
 と、そこへ……
「見つけたぜ、炬俐っ!」
「げっ! 来たっ!」
 今度は炬俐を追いかけてきた阿蘇鬼神までもが、警備員室に入ってきた。
「炬俐、今日こそ絢爛の礼を……」
 炬俐に愛刀繚乱の切っ先を向け、迫る阿蘇であったが、途中でピタリと動きを止める。
「…紅夜叉……お前、何して…」
 全裸の紅夜叉を見つけ、鼻の下を伸ばしながら尋ねる。
「えーと、これは………ウエェーーーンッ!」
 突然しゃがみこみ、紅夜叉が泣き出す。
「そこの馬がオレの美貌に理性を失って無理矢理!」
「なにぃっ!」
「ちょっと待てぇっ!!!」
 まさしく鬼の様な形相で、自分に凄まじい殺気を向ける阿蘇に、馬頭鬼は慌てて首を横に振る。
「さっ、最初に誘ってきたのは、あのガキの方で」
「フッ、性犯罪者ってのは、皆最初はそう言うんだよっ!!!」
「ヒェーーッ!!!」
 たまらず逃げ出した馬頭鬼を、炬俐そっちのけで追いかけていく阿蘇鬼神。
 二人が見えなくなった後、紅夜叉が嘘泣きをやめて立ち上がる。
「フッ、ちょろいぜ」
「うーん、やっぱりこっちに付いた方が楽しめそうだな」
 紅夜叉の肩をポンポンと叩く狂骨。
「というわけだから炬俐」
「何がというわけだぁーーーっ!!!」
 完全にキレた炬俐が鵺の姿に戻り、紅夜叉と狂骨に飛び掛ってきた。
 
虎の腕が唸りを上げて紅夜叉と狂骨に襲いかかる。
紅夜叉は床を転がり避けるが、狂骨は避けるそぶりも見せずに正面からまともに受けた。
炬俐は狂骨を捉えると体ごと壁に突進して警備室全体を揺らせた。
「貴様は…昔からそうだった。力があるのにそれをまともに使おうとしない。」再度狂骨に壁に叩きつけると壁が砕け狂骨の体が半分埋まった。
「貴様一人の力で十分だった戦で部下を引き連れて出て行き、部下を壊滅させて飄々と戻ってきたり!」
壁から引き抜くと床に叩きつける。

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