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巨乳美女王国、3人のお姫様
官能リレー小説 - ファンタジー系

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巨乳美女王国、3人のお姫様 84

「彼女が王に忠実じゃなくてよかったわ」
「父親と夫の復讐を忘れたなかったんだ」
「ところで、ガッディールの男に靡かなかった女もいると思うでしょ?」
「気にはなっていたけどね」
「同盟も成り立ったから、この街を離れるんだけど…その前に視察する所があるの」
ビアンカを秘密都市に連れて行くにしても、彼女にも準備があるし理由は仕事の広げるためと言えそうだが、誰に留守を任せるのか気にならないでもない。
しかし、娼婦やアイーシャのようにならなかった女達にも興味がある。二人の護衛とミユキとともに馬車で目的地に向かう。
その道中はセルナートの反映に背を向けるように進み、街からやや離れた丘の上の外から中が見えにくい建物の敷地に入る。
「ミユキ、ここは?」
「修道院よ」
「つまり、尼さんとして世俗から離れてるんだね」
「それだけじゃないわ、男の騎士修道会が壊滅したから…自分たちが来るべき日に備えてるの。この建物も立てこもるのに向いてるし、ガッディールと戦う術を模索していたの」
僕たちは修道院長に案内されて広場に来ると、修道女が分隊ごとに銃を担いで行進していた。厳密には銃ではない。まだ分業による大量生産の体制が出来上がっていないので、実物は秘匿もあって配備されていないから扱いを学ぶための寸法が同じだけの偽物だ。しかし、その木銃に装着させる銃剣は本物だ。銃剣はガッディールの騎兵との白兵戦に必要なので、銃本体の開発はミユキに任せていたけど、あえて僕が口を出してこの国の従来の細い剣をサーベルに更新すると決めた際に生産させた。
「厳密には王国軍じゃないよね。誰の直属だい?」
「教会だから、ファリスよ。彼女が宗教上の権威でもあるの」
「確かに、この国のために苦難に耐えたから…徳が高いとされてるんだ」
「動員しようと思えば彼女の命令としてできるし、戦争以外にも救護にも使えるようにサオリが応急措置や看護について教えたわ。彼女たちは、祈りと同じように熱心だったそうよ」
「母さんが?」
「そうよ。でも、ここの女性には手を出しちゃダメよ。聖職者として、男から遠ざかるためにここにいるんだから」
「こういう所はいくつかあるんだよね?」
「男に溺れず、信仰に走った女性も国中にある程度いるの。修道院同士のネットワークも当然あるわ。ノウハウも共有しやすい環境ね」
「なら、ビアンカの部族向けの武器と並行して、修道院に優先的に銃を送ろう。早く本物を撃ちたがっているだろうし」
修道女と直接言葉を交える機会はなかったけど、戦争で減ってしまった男に代わってガッディールから国を守ろうとする女性たちがいたことは頼もしい。
僕たちは門をくぐると、再び馬車でアジトに帰る。今日で引き払うと思うと名残惜しい気がする。
「やれやれ、色々有ったけど上手くいって良かったよ」
「とは言っても、まだまだ先は長いわよ」
「それでも少しは前に進んでるだろ?」
「まあね」
「それにしても……」
「どうかしたの?」
「いや、誘拐だの、中毒性の高い大麻の製造法だの、武器の密造だのと、副王というより何処の犯罪組織のボスだよって思ってね」
「とんでもない悪党ね。親の顔が見てみたいわ」
「しょっちゅう見てるだろう。第一、片棒を担いでるどころか、ある意味主犯とも言えるミユキに言われたくないね」
諸々の発案や手配は殆どミユキがしているから、第三者から見たらミユキに対して僕が手を貸している様にしか見えないだろう。

「やっと都に帰れるのですね。それと、ついさっき手紙が…お姉さまがご懐妊の兆候だそうです」
「へえ、フローラが」
「この国の憂いも知らない頃ね。ただのハーレムだと思って楽しんでた時じゃない?」
アジトは商家と偽るためによく取引先に偽装した密使が出入りしていたが、僕の主な役目のひとつの成果が出たことは嬉しい。
思えば、セルナート行きからビアンカへの接触までにも随分月日が経ったと思い起こす。
妻の一人であるレナを連れてきたのも、他の二人とも疎遠にならないためだった。
「すぐにでも帰りたいけど、まだ視察があるんだ。母さんと先に戻ってくれるかい?」
「はい、殿下もお元気で」
「レイジ、この世界は向こうといろいろ違うけど…人の営みは変わらないね」
二人は密書を届けに来た馬車で一足先に戻ることとなった。

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