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おてんば姫、ファニーの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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おてんば姫、ファニーの冒険 82

「何で…」
「うん?何かしら」
「何でモンスターが堂々と街にいるのよ」
ファニーの疑問は最もだ。
王都から程近い場所に、堂々とモンスターたちが住んでいるなど普通では考えられない。
本来なら街ごと討伐されてもおかしくないはずだ。
フローラ姫もこの人事られない光景が、自分の国の中にあることなど信じたくなかった。

その疑問をカリンカが答える。
「そうね、私も不思議思ったわ。それで街の資料を調べてみたんだけどね」

「どうやら元々ここはモンスターの巣窟だったみたい。それをドーリスの建国王ドラン一世が討伐しようとしたけどうまくいかなかった。それで仕方なくモンスターたちと協定を結んだの」
「協定!?そんなのモンスターと結べるわけ無いじゃない」
ファニーにとってモンスターは倒すべき相手だ。
そんなものと協定を結ぶなど考えられないことだ。
「それができたからこうして街があるじゃない。その協定の内容とは、ドーリス国内の人を襲わないこと、そして毎年一定の額の献金を行うことだったわ」

「でも、モンスター達にとってこれは過酷な条件よね。モンスターは女性がほとんど生まれ無いから、人間やエルフの女性を攫うしかない。さらにお金を集めなくちゃいけない。それ出始めたのが奴隷貿易というわけ」

「最初はバンドールとか国境の街とか襲ってたけど、それだけだと足りない。そこでこの港を造って海賊船を呼び込んだの」
「海賊達は堂々と入港できる港を得ることができたし、奴隷商人たちも官憲の目を気にせず堂々と商売できるわけ」

「モンスターたちも入港税やら地代収入でかなり潤ったし、さらに副業ではじめた売春宿やストリップ小屋、さらに闘技場まではじめたから、かなりの収入をえることになったわ」
そこへ、今まで押し黙っていたフローラ姫がはじめて口を開く。
「父はエドモンド王はこのことをご存知なのですか」
フローラ姫の問いに、カリンカはよどみなく答える。
「多分知らないと思うわ、ここは自治都市となっているから役所同士の交流はないはずよ。一応総督とか派遣されるけど、ほとんど総督府から出てこないから街の内情なんてしらないわよ」
「それにね、一番潤っているのはドーリス王国よ。なにせこの街からの献上金だけで全収入の3割を超えているのだもの」
「何ということ・・・・これほど酷いことになっているとは、想像もつきませんでした・・・・。」
フローラ姫はあまりのことに小刻みに震えていた。
その横でファニーは怒りがこみ上げていた。
「ふざけないでよ!人間やエルフの女を掻っ攫うためにこの街つくって、人間にもそれに加担する者がいる・・・??あれ???」
「あら?どうしたのかしら?」
叫びだした途端最後が疑問形になったファニーを見下すように問う。
「変ね・・・。確かメメールのヌシのところではあの邪神官がかなり多くの魔物の女の子を引き連れてたのよね・・・。」
それを聞いたカリンカは顔色が変わった。
「何ですって?メメールで彼らと遭遇した・・・・・・まさか?!」
「どうしたのですか?」
いきなりカリンカがファニーの両肩を掴んで詰め寄った。
「確かあなた、ファニーと言ったわね。まさかモンデール王国第一王女のファニーか?」

しまった!
失言の為に思わぬことを相手に連想させてしまったことに気づいてファニーは顔色を変えた。
「なるほど、そういうことだったのね。ふふふ、いい拾い物をしたわ。お姫様が2人も手に入るなんて。心配しなくてもいいわよ。二人とも王女であるからには大事に扱わないといけないわね。」
言うとカリンカは部屋を出て行った。
そして後には縛り上げられた2人の姫と1人の侍女が残された。
フローラが疑問を口にした。
「どこへ行くのかしら・・?」
侍女のミストが答える。
「おそらく親分に報告するのでしょう。ですがファニー様も姫様と同じく姫君であらせられるとは驚きました。」
「え、ええ・・・・・。」
自分が王女であることを悟られた悔しさと後悔でいっぱいのファニーはそれだけを口にした。




一方その頃ティーエたちは。
「これらはまさに狩猟会一味。ご協力感謝いたします。こちらは賞金です。」
ここはドランの王都衛士隊本部。王女誘拐事件発生で対策本部に詰めていた衛士隊総監がティーエたちを前にしていた。
総監の横にいた衛士隊員の一人が金の入った袋を差し出す。
狩猟会頭目エヴァンズらは王女誘拐事件の前から盗賊団として指名手配されていたのだ。
冷静ではあるが、怒りをにじませてティーエが言った。
「礼よりも、奴らに仲間が捕まってフローラ姫ともども連れ去られました。海賊と手を組んでいたのです。追うので協力していただきたいのです。」
「なな何!!!姫までもこやつに捕まっているだと!!!間違いないのか!!」
「それについてはこの首賭けて間違いない!今すぐ海賊を追う。ここからだと海賊が逃げそうなのはルーグかバンドーンだろう。馬を貸してくれ!」
叫ぶようにライズが答えた。
「エヴァンズとか言ったな、今すぐ事情を話せ!!」
真っ赤な顔になった副総監がエヴァンズに詰め寄る。総てを諦めていたエヴァンズはもう一度事情を話した。

「ぐぐぐ・・・・八つ裂きベイツまでかかわっているとはなんたることだ・・・。」

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