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おてんば姫、ファニーの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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おてんば姫、ファニーの冒険 8

ファニーは石像がコインを上げるまで色んな構えを試した
刃の広さからして重さ、重心、握りなど申し分なかった
(これなら片手でも扱える)
ピィイン
空気を振るわせてコインが舞った
と、思ったらコインは天井に当たり弾き返った
「え!?」
キィン!
構える前に床に落ちるコイン
石像は一気に間合いを詰め、左下から切り上げた
ギャリン
下段の構えを取っていたから辛うじて受け流しまで持っていった
しかし、ファニーは壁まで吹っ飛ばされた
「つぅ〜、随分嘗めてくれるじゃない」
「油断しているお前が悪い」
「そっちじゃなくて、下段の構えに下から攻撃なんて舐めてるだけでしょ?」
石像の攻撃は一発一発が重い
二本同時攻撃を剣で受けようなら間違えなく潰される
ファニーはかわすか受け流すことに専念し、隙をうかがうが、一向に隙は見えない
それ所か攻撃は早くなっていく
「い、はぁ!く、」
何度か隙を見つけ攻撃に繰り出すも全て石像に届かなかった
石像の剣が突きを繰り出す
ファニーは剣を縦に構えた剣で受け流し、剣同士を滑らせる様に懐に飛び込む
が、残りの二本が左右の頭上から襲いかかる
かわせない!
ファニーは止まることなく剣を掲げて二本剣を受ける
突進の勢いと二本剣の勢いがファニーの体を襲い、ファニーの膝を地面に着けさせた
『今だ!』ファニーは石像の剣を受けたまま、地に着いた右足を軸にして足払いを放った。石像が前に倒れたところで、ファニーは素早く立ち上がり、その胴体に剣を突き立てた。
「あ、危なかったぁ。」
息を弾ませながら、額の汗を拭う。
ピイィィ…ン。
石像から光がこぼれ出し、彼女の顔を照らす。
「導かれし者よ。其の剣もて、民に平和をもたらせよ…。」
一際強く輝いたと思うと、急に部屋中真っ白になった。
「とりあえず助かったみたいね」
ファニーは息を整えると、石像のそばに落ちていた剣を手に取った。
剣には不思議な文様がインクのような物でかかれていた。
材質は鋼のようだが、手のとってみると重さを全く感じなかった。
「この剣はいったいなんのかしら」

「それはミネルバの剣と言われております」
いつの間にか黒ローブの店の主人が立っていた。
「ミネルバの剣??」
「ええ、戦の女神ミネルバの力が込められております。切れ味は抜群ですぞ」
「そうなんですか」
「はい、ファニー姫様にふさわしい剣かと存じます」
「どうしてわたしの名を」
ファニーは警戒して剣を構える。
「フフ、そんなに警戒しないでください、姫様をどうこうしようとは思いません」
男は手を挙げて、自分が敵対する気がないことを示した。
ファニーは未だ納得していなかったが、とりあえず剣をおろした。
「こちらへ」
店主に案内されファニーは入ってきた扉から店を通って別の部屋に案内された
中は香草が焚かれて、ツンとした甘ったるい煙で霞んでいた
「血行を早めて疲れや傷を早く癒す効果があります。どうぞ」
店主はファニーの警戒を余所に、戸棚から鞘を取り出した
渡された鞘は軽く、サラサラした固い皮の鞘だった
触ると表面に凹凸がある
傾けると光の具合で曲線の文字らしき文様が刻まれている
<古代文字?>
鞘は光を反射しにくい黒のため、言われるか触るかしないと気付かないだろう
店主はいつの間にか小さいテーブルを用意し、木の器に大きめな氷の浮いた飲み物を用意していた

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