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おてんば姫、ファニーの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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おてんば姫、ファニーの冒険 52

「そう簡単には行かせんよ」
ジュラーブリクがまたも壁の仕掛けを押す。
ブン
地面においてあった綱が、ピンと膝上ぐらいの中に浮き上がる。
ガタッ、ドカッ、バキッ
綱に足を取られて、転ぶ魔族たち。
次々と倒れゆく、魔族たち。
中には足の骨を折った者もいるようだ。
「おのれ、こしゃくな真似を…」
ザラディエの怒り心頭だ。
このままさらに突撃の号令をかけようとしたが、長妹であるロールに止められる。
「兄上、もう引きましょう。このままでは山のヌシと全面対決になりますよ」
しかし、ザラディエの方も引けない。
このまま引き下がっては自分の面子にかかわるからだ。
だがロールの方も引き下がらない。
「女達の中には、他の部隊から無理をいって増援を受けた者もいます。彼らに何かあれば、いかような責めが下されるかわかりません」
ジュラーブリクが押したボタンを見たアンナ。
『カラクリ屋敷ですの? ここは?』
『茸目当ての外敵が多いですから、用心です。』
なぁるほど、と頷いて走り続けると前方から…
『おー♪ アンナちゃ〜ん』
ライズだ。 脇にはファニーとムリヤがついている。
『ライズさん、姫様。 ご無事でしたか、あぁ、良かった…』
アンナはファニーを抱き寄せる。
『もう、アンナったら、大丈夫に決まってるじゃない?』
だが、ちょっと危なかったのは伏せておいた。
『…主が許してくれたのですか?』
『条件付きでね。』
ライズはそういうと、剣を抜き、アンナ達が来た道を歩いて行く。

そうまで言われると、ザラディエも撤退の方へと傾かざるえない。
しかし、女神官が一人攫われてる、これをどうするかだ。
「攫われたものがいる。そのものを救出しないと、我らも撤退するわけには行かぬぞ」
「彼女なら大丈夫でしょう。なにせあのミザリィですから」
これはザラディエも驚いた。
「あの死のストーカー女ミザリィだというのか、それだとヌシが危険にさらされるのでは」
「いえ、危険なのは彼女を攫った魔法戦士でしょう」
「興味深いね。 その話、良く聞かせてよ。」
ザラディエ達、魔物の前に一人ライズが立ちはだかった…

「えぇ!? あの魔物達を一人で倒す?」
ファニーから条件を聞かされたアンナは驚き飛び上がった。
「ウガウゥガ」
「通訳します、アイツラにはウンザリしていた。」
獣人達は冷静に通訳に徹する。
「グフガァガフグゥ。」
「それを追っ払ってくれるなら、茸くらいくれてやる。 だそうです。」
「…ガゥガ…グルァガウウガ(それに…あいつみたいなやつも、嫌いじゃないからな)」
だが、その時主が降ろした女神官の姿が消えていた事に気付いたのは誰一人いなかった…

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