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見習い魔術師セオドア
官能リレー小説 - ファンタジー系

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見習い魔術師セオドア 6

焚き火をして夕食を取りながら、セオドアはふと思いついて言った。
「そういえば、先生は魔法具を作る時はどんなことを考えますか?」
「えっ?」
突然質問されて、アドリアナは戸惑った。
今まで特に意識したことが無かったからだ。
アドリアナはただ漠然と「こうすればいいかな」という感じで作っていただけで、考えてみれば誰かと話したり意見を聞いたりしたことは殆ど無い気がしてきていた。
「私の場合は…大体は漠然と『こうしたらいいかしら』と思って製作しているとしか言えないわね。深く考えたことは無かったかも。漠然としたイメージで進めていたら気づいたら完成している、というのがいつもの流れだったわ」
「そうですか…。実は僕は、今回初めて作ったものがあって、それを先生に見てもらいたいんです」
「そうなの?」
「はい」
セオドアはリュックの中から、掌に乗るサイズの小さな箱を取り出した。
それは銀色に輝く金属製の立方体で、表面には何本かの溝があり、中央には赤い宝石のような物が嵌っている。一見すると、宝飾品を入れるケースにも見えた。

「これは、魔法陣を組み込んであるんです」
「へぇ…!」
「この赤い石に触れてください」
セオドアに促され、アドリアナは指先でそっとその石を撫でる。
すると一瞬だけ光が溢れ、すぐに消えた。
「今の光…何かの起動装置なのかしら」

今度はセオドアが赤い石に触れた。

「こうして…」
「あっ、これって…」

二人の目の前に、フィレス山の立体図が浮かび上がり、緑と紅、二本の線が麓からずっと一緒に山を登っている。

「そうです。僕達が今まで登ってきたコースです。今まで来た道のりを自動記録してくれる機能を付けた立体マップです」
「初めて見たわ。すごく便利じゃない!」


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