幼魔鬼譚〜悪戯好きのアリス〜 50
「勝手な奴だなぁ…」
あまりの事に憮然とする紅夜叉。
そこに後ろから、男が手を回してきた。
「まぁ、仕方ないじゃねぇか」
「………」
羽織っていた白衣と襦袢を掴み、ゆっくりと脱がせていく。
「帰ってくるまで二人で楽しんでようや」
「あっ……」
腰に、硬く熱いものが押し付けられる。
トクンッ……トクンッ……
「……そうだな」
男の方に振り向く紅夜叉。
「でも、絶対」
「処女だろ?。分かってるって」
そういって男はしゃがみ、紅夜叉の肩と膝裏に腕を回して抱き上げた。
「おっと!」
落ちないよう、男の首に手を回す。
「じゃ、ちょっと場所変えるぞ」
「変えるって何処に? 八侘が帰ってきたら」
「何、すぐ分かる。この建物の中だからな」
そう言って男は、紅夜叉を抱え廊下に出て行った。
「それで、何処行くんだ?」
「ここで一番偉い奴がいた部屋さ」
『ここで一番偉い奴がいた部屋』
それは支店長室。
前の持ち主の支店長は見栄っ張りで仕事場の充実より、自分の身の回りの充実が会社が繁栄していると信じて疑わない人間だった。
そのため、支店のこの建物の売り上げはがた落ちして規模縮小のために潰された。
撤退の際、回収や業者来てもらうにはお金がかかりすぎるために調度品などは残されていった。
男が薄暗い廊下をスリッパの音を響かせて廊下を進むとその部屋に入った。
紅夜叉を抱いたままで肘を使って電気を点ける。
木製の大きな机にガラスのテーブルとフェイクレザーの大きなソファーのセット。磨かれてはいないが手入れはされている。
男が紅夜叉を机の上に寝かせる。
木のひんやりした感触が紅夜叉の身を縮めさせた。
男が顔を近づけてキスをしようとしたが、紅夜叉はそれを拒んだ。
「ま、待ってくれ。それは、まだ…」
男は不機嫌になるが、身体ならいいだろうと頬から首筋にかけて舐めてきた。
「ひゃうぅ!?」
熱い舌が肢体を滑ると紅夜叉は仰け反った。
思わずぶん殴って逃げたくなるが、八侘との約束を思い出して拳を握り締めながら堪えた。
乳首や臍など敏感な所を舐められると脚まで跳ね上がる。
男は紅夜叉の机の端に座らせると、脚を両肩に乗せて股間を舐め始めた。
「やややうめろ!それ以上はぁっあぁ!」
パンチパーマを掴んで引き剥がそうとするが、力が入らず、いいように舐められる。
皺や筋が少ない陰唇だが、その隙間を丹念に舐められ、今までに無い快感に身体が痺れた。