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RPGに監禁してみる
官能リレー小説 - ファンタジー系

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RPGに監禁してみる 40

武道家リンシンに目立つ外傷の痕はない。
女剣士ジゼルにもない。
二人ともそれなりの強者だと、観客は外見から判断する。外傷の痕が少ない闘士は人気が高い。
敗者は奴隷として観客の誰かに売却され、勝者への報酬はその売上金という噂は本当かもしれない。
凶悪な鉄鎚使いの戦士と対戦した時よりも、女剣士ジゼルは緊張していた。
戦闘用ハンマー以上のガントレットの打撃の威力をジゼルは実感していた。
鎧の上から打たれても、一瞬、息ができないほどの衝撃が体にダメージとして刻みこまれる。
さらに、俊敏なリンシンの追撃が右胸を打つ。
(脇腹を殴ろうとすればできたはず、なぜ?)
ぶっ飛ばされながらも、倒れずに女剣士ジゼルは持ちこたえて、武道家リンシンと距離を置いて対峙している。剣を握るジゼルの手がじんわりと汗ばむ。
武道家リンシンは、俊敏だが体つきは華奢で、両腕のガントレットは何か特別な魔法アイテムか義手なのかもしれない。細腕なのに繰り出される強烈な打撃は常識的にはありえない。
武道家リンシンを犯そうと体格差がある巨漢の男が押さえこんできた試合があった。
相手の手の小指をへし折り、目を鋼鉄の指先で突いて潰した。それを狙って、わざと押し倒されたのかまではわからない。
その時、戦いに興奮した観客から声援ではなく、下卑たひやかしの声が女剣士ジゼルに聞こえた。
「そんな鎧、ぶっこわして剥いちまえ!」
武道家リンシンもその声を聞いていたらしい。
口元に小さく笑みを浮かべ、目を細めたあと、リンシンはぺろっと自分の唇を舐めた。
それを見て女剣士ジゼルの背に、ぞくっと悪寒が走った。
女剣士ジゼルを犯し、観客たちの前で辱しめて勝利する気で戦いを挑んできた男たちは、ジゼルの女らしい体つきを確認するようにじろじろとながめて興奮していた。
それはジゼルに、視線で犯されているような嫌悪感をいだかせ胸の奥をざわつかせた。
どう見ても自分より少し年下の娘に見える武道家リンシンに、なぜか同じ嫌悪感を感じた。
「中に出しても勝ちにはならないけど、一緒に気持ちいいことをして、あたしに降参してもらったほうがうれしいな」
武道家リンシンは両腕を胸のあたりまで上げて拳を握りこみ、両脚は自分の肩幅よりわずかに狭く開いた構えを解いて、両腕を下げてみせた。
(これは、もしかして挑発されてる?)
降参なら、審判に手を振るなり、声をかけるはず。
(わざと隙を作って、これは私が先に動くように挑発してるってことよね、これは)
女剣士ジゼルは、緊張しながら盾の装備を解除して、両手で剣を握り構え直した。
(そっちこそ、先にかかってきなさい!)

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