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おてんば姫、ファニーの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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おてんば姫、ファニーの冒険 31

「言われなくても叩き切ってやるわよ」
そういうと同時にすかさず切りかかるファニー。
しかしその渾身一撃はかすりもせず、あっさりとかわされてしまった。
「この、この」
維持になったファニーは何度も切りかかるが、ライズは必要最低限の動きでかわして行く。
「怒りに狂っても剣筋に乱れが無いのは良いけど、少し教科書道理すぎるかな。動きが読みやすいよ」
汗一つかかず、平然としたままアドバイスまでこなしてしまう。
「ちょこまかと〜」
回避され続け、ファニーは次第に苛立ちを覚えてきた。
するとライズはファニーの苛立ちを悟ると、相手を見たまま急速にバックステツプで離れていく。
「逃がさないんだから!」
当然、ファニーは追い掛ける。 段々と距離が詰まりファニーが剣を振り上げ渾身の力を込めようとした時、ライズが急に予備動作なくファニーの方へ飛込む。
ただでさえ早い飛込みが、ファニー自体も前に進んでいるため倍の速度となり、ファニーは反応する暇を与えられぬ間に剣を持つ手を抑えられ、小刀を首筋に当てられていた。
「ま、60点かな。
実戦と冷静さが足りないね。」
「こ、こんなのって・・・」
ファニーは自分が負けた事が実感できなかった。
しかし首筋に突きつけられた小刀は紛れも無い現実だ。
アイラ島の剣術大会に続き、二度目の敗北だ。
「さて、これで納得いただけたかな。それともまだやるかい」
ライズは嫌味なぐらい余裕しゃくしゃくだ。
「うー、もうわかったわよ、あなたを連れて行けばいいんでしょ」
ファニーはしぶしぶライズを仲間にする事を決めた。



翌朝、出発するファニー達をティーエと侍女のフリッカが見送りに来た。
「姫様、お気をつけて。貴女様のお帰りを王様と共にお待ちしています」
「ありがとフリッカ。それから、あんな役目押しつけてごめんなさい」
ファニーはフリッカを抱き締めた。
フリッカも腕を回して抱き締めてくる。
「いいのです。王様を助けたい気持ちは貴女様とご一緒ですから」
ファニーはフリッカが父に抱いている想いに気付いた。
あのファニーですら憧れるほど完成された女性であるフリッカが、未婚のオールドミスでいるのはつまり【そういう事】。
結ばれなくても王のそばに居たかったのだ。
名残を惜しみつつ、3人は北西部国境地帯メメール山脈まで出発した。
道中はライズがしゃべりまくり、アンナがそれに相づちをうち、ファニーが不機嫌なまま押し黙る。
とても和気あいあいと這いいがたい雰囲気のまま、一行は目的地であるメメール山脈の麓の村に辿り着いた。
「あれまあ、お客さん方はボッキ茸を探しに来たんで」
宿屋の女将さんはファニーたちの目的を知ると目を丸くして驚いた。

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