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おてんば姫、ファニーの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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おてんば姫、ファニーの冒険 29

・・・・。
「あたし。パパと寝るわ・・・・。」
「なっ!?」
その場にいた家臣達は飛び上がるほど驚いた。
確かに愛娘のファニーなら一応愛はある。
だが当然、家臣達はうろたえながらも一斉に止めにはいった。会議は一時紛糾した。
頑として聞かないファニー。だが肩が震えている。やはり怖いのだ。
それを見兼ねた一人の女性が声を張った。
「そのお役目、私がお引き受けします!」
皆が騒ぐのを止める。
女性はヘンドリック王の乳母の娘で、王の幼馴染みでもある侍女のフリッカ。ファニーが密かに憧れている人だった。
「ですから姫様は安心してボッキ茸を探しに行って下さい」
「あぅ!」
ファニーの考えは読まれていた。
「なぬ!?」
だが、重臣達は読めていなかったようだ。
「姫様! もうどこにも行かせませんぞ!
王の疲労は少なからずも姫を心配したことによる心労も入っているのですぞ!」
重臣達は口々に反対をする。
「じゃあ、誰が行くのよ?」
このファニーの言葉に重臣達は反論出来なかった。 もうどの部隊も任務に出ていたり、モンスターとの戦闘で負傷してボッキ茸の散策に行ける状態ではなかったのだ。
「ね? 今動けるのは私だけだから。 私が行くわ。」
それだけ言うとくるりと後ろを向き、出口に向かう。
だが、扉にはアンナとティーテが立ち塞がった。
ファニーは二人に止められるかと思っていた。 だが、二人は道を開けた。
「準備は出来ていますか? 姫様。
私達も付いて行きます。」
「止めても聞かないことがわかりましたので止めませんよ。
いきなり一人で抜け出されるより、一緒行った方が安心ですからね。」
二人は食糧などを入れた袋を背負っていた。
「アンナ、ティーテ…」
ファニーは二人に礼を言い、重臣達の方へ向く。
「行ってきます。 あとをヨロシクね♪」
やれやれ姫様には負けました、と重臣達も溜め息をつきながらいってらっしゃいませ、と言ったのだった…
話はついた。 さて、行こう。
そう思い、扉を開けようとしたファニーだったが、重臣の一人に止められた。
「まだ何かあるの?」
ファニーは少しうんざりとした表情で聞く。
「百歩譲ってですが、姫様の外出を許しても、ティーテ様には残って頂きたい。」
その重臣が言うには、諸外国を牽制するために名の知れたティーテに王都の守備隊を指揮して欲しいとのことだった。
「諸外国に、我々の力はまだまだ健在であることを示すためにも、ティーテ様には残って頂きます。 これだけは譲れません…」

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