大淫者の宿命星 23
「源氏物語の六条御息所の話とか、あなた聞いたことないかしら?」
「知らない、教えて」
それは年上の元恋人の生き霊が祟りをおこして、心移りした光源氏ではなく、正妻をとり殺してしまうという話である。
現代にも似たような話はあるらしい。
ただ男性の生き霊が無自覚でストーカーしているなんていうトラブルもあるようだ。
彼女は生き霊が来ていた気配を察知して「あんまり親身になりすぎちゃダメよ」と警告する。死霊より生き霊は祓いにくいらしい。
「芸能人とかすごくたくさんの生き霊とかに狙われてそうだよね」
「そうでもないの。たぶん、芸能人だからって遠慮したりするんでしょうね。一般の芸能人より身近な人とかのほうがもしかしたらって期待するから、トラブルが起こりやすいのかもしれない」
俺は自分のスマホをまじまじと見つめてしまった。これは、そんな隠れ機能があるのか。
そんな話をしながら、俺は白くなめらかな彼女の柔肌を撫でまわしている。
「芸能人の若い娘としてみたいとか思ったりしたことあるんじゃないの?」
「それは少しは思ったことぐらいは……」
彼女が俺の勃起にしゃぶりつく。
「ふっ、んっ、ちゅぶっ、んんっ……」
彼女の頭部が揺れるたびに、たまらない快感が体にひろがっていく。
「ふふっ、やってみたい娘にしてもらってるのを想像してみていいよ」
彼女は勃起の根元や玉袋まで丹念に舐め回してそんなことを言いながら、勃起をやんわりと握って上下に扱きまくる。
俺は目を閉じながら、ためしにアイドルのグループの中で好みの顔立ちの娘がフェラチオしてくれているのを思い浮かべようとしてみた。
――んっ、ちゅ、ふぐっ、ん、じゅぷっ、じゅぷっ、じゅぷっ、んふっ、ふっ、んっ!
彼女のフェラチオの音と鼻にかかったような洩れてくる声に俺の興奮が高まっていく。
俺は我慢しないで、彼女の口の中に官能の限界を迎えて、白濁した精液を放った。
芸能人を想像していたはずが、ちょっと目を開けたとき彼女がフェラチオしながら、こちらを見たのと目が合った。
彼女の目もとか笑うのがわかった。
声には出さない。でも、わかる。
気持ちいい?
と彼女に言われた気がした。
俺は彼女のその表情に胸が高鳴り、頭の中が真っ白になり、射精した。
彼女は俺の精液が出てる間ずっと、くわえていて精液を飲んでいた。
「途中で想像するの止めたでしょう?」
「うん。なんでわかったの?」
「なんとなくね」
俺は腕まくらをして、彼女の髪を撫でながら、ぼんやりと彼女を見ている。
「俺もなんとなくわかったよ」
「うん」