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幼魔鬼譚〜悪戯好きのアリス〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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幼魔鬼譚〜悪戯好きのアリス〜 20

アリスは怯えて戸惑うふりをしながらわざと自国の言葉で対応すると、不良見習いは「オーケーオーケー。とにかく行こうぜ」とアリスに触れてきた
その接触でアリスは相手の表層を感じ取る
(ふ〜ん。どこにでもいる『光に馴染めない。闇に染まる勇気も無い』人たちか)
アリスはその場にしゃがみ込む
「怖がんなくていいよ〜ぉ。俺達、優しいンだから」
アリスの狙い通りに本人達は怯えた子に追い討ちの威圧を掛けてるつもりでアリスを囲いこむとアリスは地面に指で見えない魔法陣を書いた
一瞬、見えない魔法陣が青く浮き上がるとアリスを中心に青い光の壁が広がった
瞬く間の出来事で防犯カメラも捕らえることはできていない
光の壁を抜けた不良見習い達は目の焦点があわなくなっていた
「取り敢えずの駒は確保出来たわね
ポーンにも成りそうもないけど、無いよりましかな?」
アリスは地面をなぞった手を叩きながら立ち上がった
 アリスが使った術は、簡単に言えば強い催眠術のようなものである。
 これで不良たちはアリスの意のままに操れるが、体や精神に強いダメージを受けると簡単に術が解けてしまう為、あまり無茶な命令はできない。
「じゃぁ、とりあえず……」
 早速アリスは不良たちに命令をした。
「あなた達、有り金全部出しなさい」
 不良たちはポケットの中から財布を取り出し、中身を全部アリスに渡していく。
 ほとんどカツアゲである……
「他にも隠してないでしょうね。ちょっとジャンプしてみなさい」
 ……しかもかなりタチが悪い。
「全部で3万……‘エン’か……
 いまいち価値が分からないけど‘チカテツ’っていうのには乗れそうね」
 アリスの目当ての場所は市の『西区』に在り、そこまで地下鉄で行くつもりらしい。
 そうやってアリスが金の勘定をしていると………
「よう、何やってんだお前ら。カツアゲか?」
 一人の男が不良たちに近づいてきた。
 不良たちが振り向くと、男は不良たちの虚ろな目に一瞬たじろぐが、アリスの姿を見るとニヤニヤイヤらしい笑みを浮かべながら近づいて来た。
「よぉ、可愛いじゃねぇか。カズの妹か?」
 男は冗談を言って一人でヘラヘラ笑う。
 どうやら不良たちの知り合いらしい。
「ねぇ、誰?」
「足立 圭吾(あだち けいご)。俺達の学校の先輩です」
 アリスの問いに、カズと呼ばれた不良が答えた瞬間……
 ボゴッ!!
 カズの顔面に圭吾の拳が飛んで来た。
「テメェッ! 何呼び捨てにしてんだよっ!」
 モロに顔面で圭吾のパンチを受け、カズは鼻血を出してその場にうずくまる。
「あぁ、悪いな。ちょっとやり過ぎちまったかも………ヒャハハハハッ!!!」
 悪びれた様子もなく、耳障りな笑いを上げる圭吾。

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