HRHR FANTASY 19
「オウカさんって、結構強いんですか?」
「そうよ〜、この前なんかリザードマン5体を一人で倒しちゃったんだから。」
「ふっ、それ位大した事ではない。」
リザードマンって確か1体でも成人男性5人分の力があるって言うのにそれを5体を一人でなんて・・・
「あのっ、旅の間だけ剣術を教えて頂けませんか?」
「私はまだ未熟者だ。それでも良いと言うなら構わんが。」
「ありがとうございます。」
今まで自己流でやってきたけど、これからはもっと危険な目にあうかもしれないから、一度ちゃんと教えてもらった方がいいしね。
一週間後・・・
「ふぅ、ふぅ、ふぅ・・・」
町を出発してからの間、旅の間にオウカさんに剣術を教えてもらって少しは上達した。
だけど暫くの間修行の中止を言い渡された。理由は・・・
「ユーリ無理はするな、身重の状態で旅をするのは大変だからな。」
僕のお腹が大きくなってしまったから。
元々魔獣の子の妊娠期間は短いうえに、スキルのせいで一週間しか経ってないのに既に8ヵ月ぐらいのお腹になってしまっている。
しかも胸もEカップになってしまったから余計に体が重い。
「ユーリちゃん、がんばって、この山を越えたら町があるからしばらくそこで滞在しましょ。」
「はい。」
マナルさんに励まされながら僕は一歩一歩進んでいく。
ズブッ
「んっ?」
ビュッン!!
「えぇぇ??」
プラン・・・
「えぇぇぇぇ!?」
何か踏んだと思ったらみんなが上にいた・・・
いや、違う、僕が真っ逆さまに吊り上げられてるんだ。
「うわあぁぁぁ!?何だこれ?何だこれ?」
「ユーリだいじょうか!?」
「あれ?ユーリあそこで何してる?」
突然の出来事に全員慌てはじめた。
すると・・・
「おい、動くな!!」
突然の怒鳴り声に振り向くと刃物を向けられていた。
よく見ると大きな木の枝にいかにも悪人面な男が剣を握っていた。
「てめぇら、此奴の命が惜しかったら動くんじゃねぇぞ!」
男がそう怒鳴るのと同時にオウカさんの周り、にこれまた悪人面な男たちが囲み始めた。
ヤバイ!こいつら明らかに山賊的なやつらだ!
「おい!おまえら武器を地面に置いて下がれ。言う事聞かねぇならわかってんな?」
そう言って僕に剣を近づける。
どっ、どうしよう!?とりあえずみんなを逃がさないと!
「みんなっ!逃げて!僕はだいj・・・」
ドカッ!
「ぶへっ!?」
「ユーリ!」
「ガキっ!余計な事すんじゃねぇ!手前らもさっさとしろ!俺は気が短いんだ!」
うぅっ、本気で殴られた・・・っと、それよりもオウカさん達だ、彼女達ならこいつらから逃げられるはずだけど・・・