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幼魔鬼譚〜悪戯好きのアリス〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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幼魔鬼譚〜悪戯好きのアリス〜 18

アリスは引き上げるのが面倒と、葛籠の四隅を指先で突つくと箱が分解して玲美が転がり出た
「さてと」
アリスは玲美の上体を抱き上げると唇同士を近づける
何か呟くと玲美の口に桃色の息を吹き込む
玲美の目に光が戻り、ゆっくりと辺りを見る
普通なら意識を取り戻した途端にパニックになるところだが、アリスの吐息で落ち着いていた
「あの大きな猿は?あなたは?」
アリスは少し考えると玲美を抱いている反対の手で畳に見えない魔法陣を書いた
「私もあの大きな猿に襲われてたの
でもお猿さんは大きな犬に退治されたわ」
アリスが示した先
破られた壁の向こうで見えない魔法陣で召還された2メートルほどある大きな狼が猿神の死体を森の奥へと引きずって行こうとしていた
狼は二百年ぶりの召還が猿神の死体を処理であることに小さな声で不満を漏らしていたが玲美の耳には届くことはなかった
「ところであなた……」
 そっと…アリスは珠美の右頬に手を当てた。
「ちょっと、教えて欲しいことがあるんだけど」
「えっ?何?」
 ジッと顔を見つめられ、珠美は思わず顔を赤らめる。
「永い間眠ってたから、今の時代のこと色々と知りたいの…」
 もう片方の手で左頬にも手を当て、珠美の顔を挟みこむようにする。
「色々って…」
「大丈夫、あなたはジッとしてるだけでいいから」
 ニコッと微笑むアリス。
 そして……
「フンッ!」
 ゴツンッ!
「ミギャァッ!!!」
 思いっきりアリスは珠美に頭突きを喰らわせた。
 脳を揺さぶる衝撃に、堪らず失神する珠美。
 その珠美の額に、アリスは自分の額を押し当て目を閉じた。
「…ふんふん……なるほど〜」
 するとアリスの頭の中に、珠美の知識……というより記憶が流れこんでくる。
「…へぇ、あの樹海の中に街をねぇ……」
 そうやって今の時代で生活する為に必要な知識を、珠美の記憶から習得していくアリス。
 やがて、大体必要な情報を得たところで、アリスは顔を上げた。
 
(ったく、やってらんねぇな…)
 そこへ猿神の死体を埋めてきた狼が帰ってきた。
 バサッ…
 その狼の顔に何かの布が覆いかぶさる。
 それはボロボロになったアリスと珠美の服だった。
「それも捨てて来て」
「………」
 
『えーかげんにしろよ、このガキャァッ! そのマ●コ使いもんにならんくなるまで、犯したろかいっ!!!』
 
 とは、後が恐ろしくてとても言えない………
 渋々服を咥え、また森の奥へと引き返していった。
(いつか……いつか必ず犯ってやるっ!)

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