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おてんば姫、ファニーの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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おてんば姫、ファニーの冒険 16

その後も、ファニーは破竹の勢いで勝ち続け、ついに決勝まで進むことができた。
前夜祭、見物にさそうティーエとアンナの誘いを断り、明日の決勝に備えて、早々の床につくことにした。
しかし、それはティーエ達の目をごまかすための謀だった。
「せっかく外に出たのに、一人歩きができないなんて来た意味が無いじゃない」
ファニーは旅に出てからも、アンナとティーエいつも一緒にいることが不満だった。
旅に出たんだから一度でいいから一人で外へ出たい。
そう思ったファニーは二人を油断させるために、今まで宿舎で剣の修行に励んでいたのだ。
作戦は成功し、ファニーは一人で出歩くと言う初めての経験をしたのだ。
夕暮れの町並みは昼間以上に活気にあふれ、大勢の人でにぎわっていた。
ファニーは大道芸を見たり、遊技場で遊んだり、屋台の立ち食いにも挑戦した。
そろそろ帰ろうかなと思ったとき、事件が起こった。
「おい、姉ちゃん。俺と付きあわねえとはどういう了見だ。金なら払うって言ってるだろ」
「冗談じゃないよ、あたしそんな安っぽい女じゃないよ」
見ると3人の男と、一人の派手な服装をした女が言い争いをしていた。
男は傭兵風、女は娼婦のようだった。

男達は薄汚れた皮鎧に、剣や槍などで武装している。
酔っているようで、足下がかなりふらついてる。
「売女のくせに、お高くとまりやがって、いいからこっちへ来い」
男が手を伸ばそうとするが、女はするりとかわす。
「いい加減にしな、あたしたち娼婦にだって客を選ぶ権利があるんだ。そんなにやりたきゃ雌犬とでもやってな」
女は年の頃は二十歳前後、胸元の開いた大胆な衣装と、濃い化粧と香水で娼婦であることがしれた。
もっともファニーは娼婦という職業そのものを知らないので、派手なひとだなと思っただけだった。
しかし、放ってはおけないと思った。
男達は酔ってかなり気が立っており、このままでは血を見ると思った。
「ちょっと、あなた達にいい加減にしなさいよ、嫌がってる女の人に無理強いするなんて男として最低よ」
「何だよ、嬢ちゃん、この姉ちゃんの代わりにあんたが相手してくれるのか」
「そりゃいい、可愛がってやるよ」
男達がファニーを取り囲む。
しかし、酔っぱらいに囲まれたぐらいでビクつくようなファニーではない。
ポカッ
ドカッ
バキッ
「イテッ」
「何しやがる」
ファニーは鞘にさしたままの剣で男達をタコ殴りにした。
「畜生、覚えてろよー」
男達はそんな捨て台詞を吐いて退散した。
「ありがとう、おかげで助かったよ」
娼婦はリリスと名乗った。
リリスはぜひお礼をしたいので、自分の店に来てほしいと言った。
最初は迷ったが、好奇心に勝てず、直ぐに承諾した。
リリスが案内したのは、港の直ぐ近くにある煉瓦造りの3階建ての建物だった。
店内はとても暗く、灯りはテーブルの上にある、ワインボトルに入ったキャンドルだけだった。
さらに不思議なことに、客の男達は皆が、フードをかぶり人目を避けるようにしていた。
さらに気になったのが、店内に漂う、獣臭さだった。
(なんだがモンスターの匂いみたい)
ファニーはそう感じた。
「どうかした、遠慮しないでどうぞ」
しかし、ファニーは匂いが気になって仕方がない、それにローブ姿の男達も気になる。
「あの・・・どうして皆さんローブ姿なんですか」
「ちょっとね、訳ありなお客さんばかりだからよ。さあ座って」
リリスは店の一番奥まったテーブルに案内した。
「匂いが気になる?ウチは牧場から仕入れた家畜をその場でしめるの。それでこんな匂いがするのよ」

とりあえず匂いの正体は分かったが、それでも釈然としなかった。

やがて料理が運ばれてきた。
料理は薄焼きピザと、陶磁器のジョッキに入った麦酒だった。
「さあ、召し上がれ」
ピザは焼きたてで、とても美味しかった。
フゥフゥ言いながら熱々のピザを食べるのは、とても楽しかった。
さらに初めて飲む麦酒もファニーの心とらえた。
初めて飲んだ酒だったが、熱々のピザに冷たい麦酒はとてもよくあった。
店内にはピアノの調べが響き渡り、それにあわせて歌姫の甘い歌声が聞こえてくる。
暗い店内も落ち着いてみてみると、神秘的な雰囲気を漂わせていた。
いつしかファニーの警戒心は解かれていった。
ピザに舌鼓を打ちつつ、リリスとおしゃべりを楽しんでるファニーを、じっと見えている男がいた。
この店の客達は、皆一様に背丈が高かったが、この男は抜きん出て高かった。
ローブからでてる手首は赤茶の剛毛で覆われ、爪も鋭く伸び、人間の手ではなく熊の手のようだった。
そしてさび付いた声で、隣に座ってる娼婦に声をかけた。

「あのリリスと一緒にいる娘はだれだ。新入りか」
「違うと思うよ、新入りなら店長から私たちに紹介されると思うよ、たぶんリリスの友達じゃないかな」
「そうか・・・」
そう言ってグラスを手に取ると、一気にあおった。
「旦那、言っておくけど素人に手を出しちゃだめだよ。いくら旦那でも協定違反は死に繋がるよ」
娼婦は笑いながらも、幾分脅しを込めていった。
「分かっている。それに今夜はお前と楽しむ約束だからな」
「そうだよ、今夜は旦那のイボチ○コを楽しみにしてたんだから」
男は娼婦を連れ立って、二階へと上がっていった。

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