PiPi's World 投稿小説

RPGに監禁してみる
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 12
 14
の最後へ

RPGに監禁してみる 14

リリアは傭兵として、荷馬車の護衛の依頼を引き受けていた。
三人の顔や腕にあったタトゥーを忘れた日はなかった。リリアは三人のうち二人を消滅させたが、三人のリーダー格の男だけは、護衛していた商人の娘を人質に取り、瞬間移動の魔法アイテムで逃亡した。
それから、三年後。
リーダー格の男はさらに手下を集めて盗賊団の首領になっていた。
西の大陸で治安維持を目的とした警備隊がまとまり騎士団となった。騎士団の隊長の一人に、リリアかいた。
情報をつかんだリリアは、三十四人の盗賊の潜伏するアジトに一人で襲撃した。
五年かかったが、リリアの復讐は終わった。
今も騎士団は活躍しており、リリアは騎士団の幹部となっている。
激闘の末に左腕を毒の剣で負傷し、やむなく切断するしかなった。隻腕の白銀騎士という異名がある。
「今はリリアさん、両腕ありますよね」
「義手をつけてたんだが、りなに頼まれて治療してみたら、なおった」
そんなリリアが、たつひこに「消滅させて」と懇願したと思うと、しょうこは、ぽろぽろと涙をこぼした。
西の大陸にのちに全大陸のうちで、一番発展した大都市が建造されるのだが、それはもっと先の物語である。
東の大陸にある「はじまりの城下街」の宿屋に、美少女「しょうこ」と一万年に一人の男「たつひこ」は、過去のできごとをふりかえりながら、眠れぬ夜を語り明かそうとしていた。
「しょうこはよく泣く」
と言いながらも、抱きついて胸元にくっついてぐずっているしょうこの髪をたつひこは撫でていた。
そのうち、たつひこのほうが、うとうと眠り込んでしまった。食堂を出てから、しょうこの暮らせそうな空き家で良さげな物件はないか探し歩いた疲れもある。それに、人の体温のぬくもりや息づかいは眠気をさそう。
たつひこの眠ってしまったおだやかな寝息を聞き、心臓のとくんとくんというリズムが一定な鼓動を頬をよせて感じながら、しょうこも目を閉じた。
しょうこは、自分の部屋の机の上に置いてあった子犬や子猫がくっついて寝ているアルバムの写真を思い出しているうちに、眠ってしまった。
翌日の昼過ぎ、食堂で食事をしたあと、しょうこは一人で宿屋の部屋にいて、こちらの世界の本を読んでいた。神話について書かれた本で、城下街の大通りの露店商から、たつひこが買ってやった。
たつひこは西の大陸の騎士団本部に瞬間移動の魔法で行っていた。
「夜までには戻る」
と、しょうこを抱き寄せてキスをしてから出かけていった。
見慣れない記号のような文字なのに、指先でなぞっていくと読み取ることができた。
「ただいま」
夜になり、宿屋の部屋にたつひこが帰ってきた。
「しょうこ、いないのか?」
ガチャッと部屋の中の扉を開くと、きゃっ、と短い悲鳴とあわててお湯につかる音がした。
「ああ、お風呂か、一緒に入るか?」
「もう上がりますから、ちょっと待って……」

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す