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おてんば姫、ファニーの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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おてんば姫、ファニーの冒険 124

「虜囚となっていた女性たちは全員で80人、彼女らの氏名、年齢等を書いた名簿をこちらにご用意いたしております」
そう言って一冊のノートをティーエに手渡す。
「女性たちのうち、50人ほどが宿屋に分散して泊まっています。残りの30人は市の病院に入院しております」
入院と聞いてファニーは、あの変態女医カリンカを思い浮かべた。
「……まさかとは思うけど、変な改造とかしてるんじゃないでしょうね」
「とんでもない、皆さんは純粋に病気の治療のために入院しているのですよ」
それを聞いて安心するも病気の治療と聞き、また不安が持ち上がってくる。
「それで容態はどうなの、まさか死ぬような病気じゃないでしょうね」
「いえ、死ぬような病ではありません。しかし女性にとっては一生にかかわる病ですな」
「それってどんな病気なの」
「それはですな……」
市長はなぜか言いにくそうにしている。
ファニーに話してもいいのかどうか迷っているようだ。
「実は・・・・・・入院している方は、みな妊娠しているのです」
「妊娠!!」
その単語はファニーに深い衝撃を与えた。
アンナや他の女性たちも、一様に痛ましい表情を浮かべている。
「はい、おそらく虜囚となっていた間に出来た子かと」
「それじゃ父親はオーガー達なのね……」
「まず間違いないかと」
部屋の中に沈黙が流れる。
好きでもない男に無理やり陵辱され、さらに子まで孕まされるなど、女性にとってこれ以上に無い屈辱だ。
「何とか救う道は無いの」
「こればかりはなんともしようがありません。私共に出来るのは、出産まで最高の医療を施すだけです」
この世界では創造母神ミスラの『産めよ増やせよ地に満ちよ』という教えが広まっており、中絶は悪とみなされていた。
たとえモンスターの子といえども、一度胎内に宿した命は生まなければならなかった。
「ティーエ、リリス、魔法で何とかならないの」
ファニーは博識を誇る魔法使いである二人に、一縷の望みを託してたずねた。
「残念ながら…昔は堕胎魔法というものもあったらしいのですが、大昔に禁呪として封印されてしまっています」
「そんな…ねぇ、リリスはどう?」
 ティーエの言葉に落胆し、最後の望みをかけてリリスに聞いてみる。
「堕胎魔法なら1つ知ってるわ」
「ホントッ?!」
「ただし、これを使うと一生子供が産めなくなるっていうオマケつきだけどね」
「そんな…」
 落胆し、肩を落とすファニーに市長が話しかける。
「ファニー姫、自分を責めなさるな。
 それにこの妊娠した者達以外の女性には、魔王軍の者は一切手出しをしておりません」

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