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おてんば姫、ファニーの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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おてんば姫、ファニーの冒険 122

トゥルーズ地峡とはトルシアの南にそびえるオルブレド山脈の唯一の切れ目である。
オルブレド山脈はメメールなど比べ物にならないほどの厳しい山々で、世界の屋根とも言われている。
人も魔物もその山を越えることが出来ないといわれている。
事実、トゥルーズ地峡が魔王軍によって占拠されて以来、各国の精鋭が何度踏破しようと挑んだが、結局は徒労に終わっている。
トゥルーズ地峡を通らずにトルシアに行くには、ひたすら東を目指して遠回りするか、西にあるプレグナンス大森林地帯を通るしかなかった。
「あぁ………それなら方法があるぞ。」
皆が西に行くか東に行くかで迷っていると、ライズが手を挙げた。
「何か良い方法が?」
「あぁ、片道なんだけどトルシアに行く道がある。 そこは魔王軍も知らないんだ。」
片道という言葉に首を傾げるがすぐに皆ライズの案に賛成した。
西も東も確実に行けるかどうかわからない、危険なルートでもあったからだ。
「どうせ不確かなら、近い方にしましょう。」
具体的な話をしようとしたところに、ドヤドヤと市の職員たちが喫茶室へ入ってくる。
いつのまにか夕暮れ時になっていたようだ。
「ここだと他の連中に聞かれる。詳しいことはモールメンに着いてから話すよ」
モールメンはここから船で一月、馬なら二月ほどの場所にある街で、プレグナンス大森林地帯の直ぐ側にある。
(彼はいったい何者なんです)
ティーエはライズの素性がきになって仕方が無かった。
一介の騎士が知りえるはずが無い情報を、さも当然のように知っている。
とても只の騎士とは思えない。
(彼に対する警戒を強めないといけないですね)
今のパーティーはライズの情報に頼りすぎている。
もし仮にライズが魔王の間諜だったら、ファニー達は一網打尽の袋のねずみになってしまう。
彼の話がどこまで本当なのか、慎重に見極める必要があった。

ファニーたちが席でお茶を飲んでいると、市長の秘書がやってきた。
そして彼の案内によって、市長公邸へと向かうことになった。
公邸では夕食と宿泊の準備がされており、ファニー達はここに泊まることになった。
そのあと秘書らしき人が来て「ギルバーン様がお呼びです」

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