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アブないタクシードライバー
官能リレー小説 - 職業

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アブないタクシードライバー 2


「安田さん,安田さん」
すっかり眠ってしまっていたようだ。楊子さんの呼びかけで目を覚ます。先輩のマンションのすぐ近くまで来ていたので,また二人がかりでタクシーから降ろし,部屋まで連れて行った。
「すみません,何か大変な客を乗せてしまって・・・」
「大丈夫,こっちは商売なんだから気にしなくて良いの」
「さて,と・・・じゃあ次は自分をお願いします」
タクシーは動き出した。
「寝てしまうタイプはまだ楽よ。厄介なのは絡んでくる客ね」
「やっぱり多いんですかそういうの」
「時期によるわね忘年会シーズンとか…、多い時はもう介抱する側も理性が飛んでたりして」
「悪酔いするやつがいますからねえ。自分もたまに訳わかんなくなっちゃうんであんまり偉そうなことはいえませんけど」
「言葉でからまれるならまだ良いけど,たまに抱きついてきたりする人がいるから」
「最悪ですね・・・そんなことしないように気をつけます」
良い感じに話が弾んできたが,自分のアパートが近づいてきた。残念だが明日も仕事。帰らなければならない。
その時だった。黒い車が追いかけてきたのは。
そのとたんに彼女の顔つきが変わった。
「追ってきたな?クソが!」
彼女は狂ったようにハンドルを降り始める。タクシーが爆音をならしながら激しくスピンを始めた…。
タクシーが街路樹をなぎ倒しながら激しく跳ね回る。ゴミ箱が弾き飛ばされ生ゴミがフロントガラスに浴びせられた。
その次の瞬間、爆発音が響き渡りタクシーが宙に浮いた。
空中で高速回転するタクシー、粉々になる黒い車が一瞬見えた気がした。

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