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学園の牝
官能リレー小説 - 学園物

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学園の牝 86

「専用入りを望む生徒たちのことを、よく知ろうと思うんです。
 その後で彼女たちを専用にするかどうかを決めたいと思います」

それは悠が選んだ第3の道とも言うべき選択だった。
でも悠の性格を考えれば当然かもしれない。
話したこともない相手を専用にはできない。
かと言って相手の気持ちを無碍にはできない。
だから悠は考えたのだ。
相手のことをよく知ろうと。
それで好きになればそれはそれでいい。
ダメならわかってもらうまで何度だって説明する。
それが悠の考えた責任の取り方だった。
「そう・・・わかったわ。
 ではもう特例の話はなかったことにしていいのね?」
「はい」

珠美の言葉に悠は躊躇なく答える。
悠の考えたやり方は時間こそかかるが、従来の専用奴隷を決めるやり方に近い。
ならば特例などもう必要ないだろう。

(このコの専用になれなかったのは少し残念だったけど、ね)

だが男である生徒が決めたことに、女である自分が口を挟むことは許されない。
珠美はそう思って悠をあきらめようとしたその時だ。
悠は珠美の予想もしない言葉を投げかけてくれた。
それは今まで理想のご主人様に出会えなかった珠美にとって、これ以上ないほどうれしい言葉。
「では先生、これから改めてよろしお願いします」
「え?」

珠美は自分の耳を疑った。
特例が入らなくなった今、自分を知ってもらう必要はない。
それなのに自分に『よろしく』と言ったということは―。

「き、桐生君?も、もう無理して私を専用にする必要はないのよ?」
「もちろんです。
 あの時先生はぼくの専用になろうとしました。
 でもそれだけのためにぼくの奴隷になろうとしていたとは思えないんです。
 それとも先生は義務でぼくの専用になろうとしたんですか?」

とんでもないとばかりに珠美は首を横に振る。
すると悠はホッとして優しい笑みを浮かべてこう言った。

「ではこれからよろしくお願いしますね?」
「は、はい・・・」

ほとんど反射的に珠美は答える。
今までご主人様を持つことなく生きてきた彼女にとって、それは1番の衝撃だった。

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