朝、目が覚めると……… 79
この感覚‥‥丸薬の効果が切れたんだ!
「み、帝さん!」
真由が驚きの声を挙げる。
「大丈夫だよ真由、すぐに薬を飲めば‥‥」
「みーくん!死んじゃやだー!!」
その時、梓が抱きついてきて俺は押し倒された。
間に会わない‥‥
梓は俺に抱きついたままだし、もう右手は透けていた。
「ま、真由、梓には説明しといて、すぐに戻るから‥‥」
真由が頷くのが見えると俺の体は浮いていた。
まいったな、梓には言ってなかったんだっけ。
俺が丸薬を飲もうとした時、
「初めまして、ご主人様」
目の前にメイド服を着た子が現れた。
美しい艶やかな黒髪、透き通るような白い肌。少しあどけなさを残しながらも
整ったプリティフェイスに大きな瞳。そして服を押しあげる
大きなバストとスカートから伸びる、すらりとした長い脚。
そして着ている服も黒のボトム、3段もある白のフリル付きミニスカート。
レース付きエプロンにガーターストッキング。頭にはネコミミ付きカチューシャ。
他に白の長手袋、猫尻尾まである。どう見てもア○バ系のメイド服だよな・・・これ。
胸元のリボンが可愛い・・・う、谷間が見えてますけど。
目のやり場に困っている俺にすーっと彼女は両手でスカートの裾を
持って、お辞儀する。
「改めまして。ご主人様。」
「ご、ごしゅじんさま〜?」
鈴を鳴らしたような、澄んだプリティボイスに素っとん狂な声をあげる。
ご主人さま・・・なんて。俺はその場であっけに取られてしまった。
「あのぉ・・・何か?」
「あ、いや、でも・・・君は・・・。」
「はい。私、今度貴方の手助けをする事になりました、メイリン・フレア・グラディスです。
ご主人様、どうか宜しく♪」
にっこりと微笑む彼女。す、すげーかわいい〜。
俺は思わず顔を赤くしてしまった。
「それと、自己紹介がまだでしたね。ご主人様、聞いてくれます?」
「あ、う、うん。聞きたいな。」
彼女の話だとこうだ。あのフレイさんの妹で、実体化した姉の代わりに俺の手助けをしてくれる
事になったわけで。まだ死神見習なので、大変だと思うが・・・。
「いえ。私は姉に憧れて、ここに来たんです。ご主人様は心配しなくても大丈夫ですよ。」
・・・と、彼女の意思の強さに俺は思わず納得する。
それにしても、こんな可愛い女の子に俺がご主人さまと呼ばれるなんて・・・なんだか恥ずかしい。
「それと・・・ご主人さま、普段は私の事をメイって言ってくださいね。」
「あ、わかった。メイだね。」
メイか。蓮や留奈、真由も可愛いけど、フレアさんの妹とあって凄く可愛い。見た目は俺と同じ位の年齢かもしれないな。