生徒会のお仕事 6
「おはよう、愛梨」
「あれ…アリア、まだいたんだ」
「あれからあたしも翔哉にたっぷりエキスもらったわぁ♪」
「いいなぁ」
おい、いいなぁって愛梨さんあんた、その前に貴女にもたっぷりあげたじゃないですか、俺のエキス。……エキス?
「翔哉と、その一族がいなかったらあたしたちはとっくに消されてておかしくなかったのよ。この学園だからこそノビノビ生きていられる」
「そう……なんですかね」
僕達退魔の者に討伐されるような事件を起こす魔性の者。でも他の魔に属する連中とは違って、痴情のもつれでたまに事件を起こすくらいで大きな問題を起こす力を持たないのが、うちの学校にもいる淫魔の皆さん。
彼女達の一部はうちの一族の保護下にあったりする。
愛梨さんやアリアさんもその一人。
実際には邪術で得たらしいその力の代償に抱え込んだ、過剰な性欲と精力の発散の為にひいおじいちゃんが言わば愛人として囲ってたのが始まりだったみたいだけどね。愛梨さん達の前では言えないけど。
ガラッ
「すみませーん、遅くなりましたー」
「やっと来たのね」
艶やか褐色肌の女の子が入ってきた。
元気そうなしなやかですらっとした彼女は大宮エリさん。
黒ギャル…ではなく生まれつきで、黒人とポリネシア人の血が混じってるとの事。
お父さんの大宮拓也先生がうちの学校の数学の先生だったりする。
そのエリちゃんが遅れたお詫びにぺこりと頭を下げた。
おおらかな性格の子でこれも日常、結構あることなのだが愛されるキャラクターであり、気にする人は全くいない。
そんなエリちゃんもうちの生徒会の一員であり、俺とは同じクラスでもある。
お父さんである大宮先生はダンディなナイスミドルだが純日本人。お母さんの血筋が多国籍でそれをモロに受けたのかエキゾチックな美少女に生まれたのが彼女だ。
エリちゃんは僕と同じ退魔に関わる家系の人間。僕の両親とエリちゃんのお父さんである大宮先生は古い友人で、家族ぐるみの付き合いがある。
「してたんですね、アリアさん」
「ええ。愛梨と2人で、楽しませてもらったわ♪」
「だから機嫌がいいんですねぇ」
「ちょっとエリ……私普段どんな顔してるって言うのよ…」