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陣陽学園〜Fight School〜
官能リレー小説 - 学園物

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陣陽学園〜Fight School〜 28

一方、憂国十字軍による祈りを唱えながらの行進。

「エイメン!エイメン!エイメン!」

四列横隊を重ねた銃士の中に弓兵を交え、絶え間ない矢弾の雨を山吹組に見舞っている。

「幕辺区隊長!あれを?」

副官の浦岩(妹)が指差す上空にペットボトルロケット、計算の内とばかり幕辺は号令をかける。

「あの程度の水攻めに臆すな!間隔を一歩拡げ!銃士は薬室を守れ!弓兵は射撃続行!」

六基のうち三基が隊列を外れて着弾、色つきの飛沫を目印にした着弾修正、二発が隊列の足元で破裂し着衣を濡らす。

「何…この臭い…?」

「目に…しみる…?」

そして切れ目を深く入れ炭酸を混ぜた最終弾は内圧と風圧により空中四散した。

「こんな霧雨…程度…?」

特に声も高らか指揮をとっていた幕辺壷美は、その飛沫を口に含んでしまう。

「…臭い…しょっぱい…まさか…。」

幕辺の顔が怒りに染まる、兵達の間にも動揺が拡がる。

「ひぎぃ?何これ目ぇ痛い!」

「らめぇ?鼻がもげちゃう!」

「アッー!小便じゃねぇか?何考えてんだ!」

しかも煮詰めて濃縮された尿だ。

「邪教の蛮族共!騎士に小便を引っ掛けるとは…!」

各班長からの被害報告で銃自体の被害は少ない、幕辺は例の『我ら十字軍が邪教を云々』と崇高な口上による集団催眠で隊列を立て直す…。


憂国十字軍の悲鳴に満足しながら影走りを真似た走法で追いついた蜂丸市花、ポウチには大き目の茶葉容器。

「今度はウ○コ…?」

「るーくん、私をバキュームカーかなんかと思ってない?」

どうせ汚物には違いないだろう、しかも中でカサカサ何か動いてる様な…兎に角、白兵戦突入まであと50mを切った。

長柄二人は鎖分銅を取り付け、風車の如く矢弾の盾として振り回す。

蜂丸市花の合図で右は賢治・市花・出流の順、対して左は明日香・鋭利・KAZUMAの編成で別れた。

当初無敵と唄われたテルシオ陣形の弱点、左右への揺さぶり。

更に右利き構造の古式銃は左を先に狙う心理、対して振り回しのいい近代拳銃の射手たる島岡六郎。

「悲しいけどコレ、抗争なのよね?」

右側面を狙い、しかも後列で不調のマスケットからクリーナーで水分を取り除いていた無防備な連中に速射。

精々が刺し傷程度だが、パニックを起こす古式銃使い達、統制を乱す事が出来ればいい。

「また稼ぎ損ねそうだ、ゴメンねミシェル。」

犬落ちした頃の六郎がそうであった様に、彼らは銃の名手でも『銃で狙われる』事に慣れていないのだ。

白兵戦まであと20m。

「狼狽えるなっ!、落ち着いて弾幕を張れっ!、異教徒どもの姑息な企みに惑わされるなっ!!」

敵もさるもの、号令一発纏めると弓隊の斉射で牽制しながらマスケット隊を整列させた。

市花の舌打ち。

そう簡単な相手では無かった。

整列したマスケットの斉射・・・

距離を近付けた故に明日香も賢治も無事ではいられない。

弾き損ねた銃弾に身を晒され鮮血が飛び散る。

それでも二人は身体をよろめかせながらも突進は止まらない。

あと10m・・・

ここまで来ると銃口を睨みながら直感で避けるしかない、長柄を持たせる為の鎖分銅も弾け飛んでいる。

そして幕辺が『近接防御!』という号令を出した辺りから散弾も放たれる様になった。

「仕方ないわね、本当は区隊長とやらに直接ブッかけてやりたかったけど…。」

市花の手元には、さっきよりカサカサ音も大きくなった、ポテチ缶より少し大きい茶筒容器、蓋に付いたテープを剥がすなり投擲した。

反動や内圧、というよりは『中に入っていた奴等』が蓋を押し開けたのかもしれない、汚物と共に十字軍の頭上へ降り注いだ。

劣等生を弄ぶ際にも専用部屋を借りる、温室育ちの彼等がそうそう目にする事のない生き物ばかり、残飯にまみれた蛆虫と蝿、鼠であった。

『きゃああああっ?』

幕辺含む女子生徒ばかりか男子生徒までもが悲鳴を上げる。

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