香港国際学園 194
ボフッ!!
理人は「一撃必殺」湯呑みの中に飲んでいた茶を吹き出してしまったために茶が理人の顔に逆流する。猫舌な理人のためにぬるめのお茶を煎れてくれていた美咲の心遣いで顔面火傷は免れた。
一方、茶坊主をしていた美咲は真っ赤な顔をお盆で隠している。
二人の態度が暗にやなくの質問への答えになっていた。
会議室にいる全員の目線が一斉に理人に集まった。
「な…なんだよっ!!」
『別にぃ〜』
全員が声をそろえて言った。理人は顔が赤くなった。その様子を見てまたもや全員が、口の端をあげてニヤリと笑った。
「若いって……いいなぁ……」
遠い目をしてフッとそんな老成した言葉が出てしまう……悠理と真澄が張り合うせいで、毎日のように何も出なくなるまで抜かれる才英からすれば、理人と美咲の反応は可愛らしいモノだった。
無論、どちらかを選んでしまえばこんな苦労からは解放されるのだろうが、そんな恐ろしい事をしでかせる勇気など才英には無い。
これであの淫乱色情魔の母親、英桃が自分に迫ってこないだけでもましだなぁ……そう考えた時、才英はある事を思いついたのだ。
「そ〜だ……桃ちゃんがいたんだぁ〜♪」
最近凄く思考のこなれてきた(堕落とも言うが)才英は携帯を取り出し電話をかける。
「……あっ、桃ちゃん!……えっと、今泉姉妹なんだけどさっ……今から桃ちゃんの好きにしていいから……精魂尽きるまで抜いてくれていいよ♪……うん、大丈夫!……僕の権限で全部許しちゃうよぉ〜♪……」
それだけ言ってニヤリと笑った才英は電話を置き、書類に『処理済み』の判を押す。
そんな才英をやなくは面白そうに、理人は驚きながら見ていたのだった。
「おいおいっ……自分の母親だろう……」
そう言いかけた理人を遮ったのは、やけに大きく響く湯呑みを置く音だった。
「才英のペ○スは公共物ではないぞ……私達個人の所有物だ」
全く感情を込めない独特の口調で湯呑みを置いた人物……悠里が凄い内容を平然と言う。
「だいたい姑のセックスライフにいちいち干渉するもんじゃないとおもうけどね……」
その悠里の隣に座り煎餅をかじる真澄も言葉を続けた。
「もし、才英が……他の女とセックスしたなら……」
悠里はそこで言葉を切ってズズッと茶を啜った。