香港国際学園 160
「あらあら・・・此処は御参りする場所であって、暴れる場所でわありませんわ・・・」
現れたのは長い髪をアップに纏め、和服に割烹着、竹ボウキを持った若く美しい女性。
背が低く童顔であるが、胸の膨らみは和服でもよく解るぐらい大きく、大人の女性の成熟した雰囲気も持っていた。
その横に巫女衣装の少女。和服の女性によく似た、一見小学生のような幼く可愛らしい少女だが、勝ち気で生意気そうな表情をしている。
しかも、胸は顔に似合わず大きかった。
「なんだ?!てめえらは!妙な結界張りやがって!」
すると生意気そうな少女が嫌味な笑い方をする。
「ふうん・・・結界破れないから、マジ切れしてるんだぁ・・・カッコわるー・・・・」
「いけませんよ、真奈美・・・本当の事でもそんなに露骨にいっちゃあ・・・」
少女を嗜める女性だが、勿論2人の神経は逆撫でしている。
「何様のつもりだぁーっ!・・・テメエら勝手な事言いやがって!」
「何様?・・・鈴木紫穂と申しますが?・・・」
「母さん・・・そんな意味じゃないよぉ!」
呆れながら女性に突っ込む真奈美と言う少女・・・2人は姉妹ではとは思っていたものの、この若い女性が母と呼ばれたことにちょっと驚く。
この天然ボケの女性は、子供がいるようには見えなかったからだ。
「くっそぅ!なんか理不尽にナメやがって…」
「いやいや、私たちが悪いんだからな?分かってるか平?すみません巫女さん。このバカには私からよく言い聞かせておきますんで」
出雲はまぁ冷静に対応した。精神年齢が割と高いのだ。
ところが平は仲間にまでバカと言われたため、完全にブチぎれた。
「なんやねんコラァ!喧嘩売ってんのか!?ナメんなやボケー!!」
なんだか分からないけど、急に関西弁になっちゃった平。
「何なの?」
冷静かつ、的確なつっこみを一言で済ます紫穂。
「ああ、彼は本気で怒ると封印している関西弁が出るんです」
出雲が補足を入れる。だが明らかに自分が無視されていると思った平は「うわーん!出雲のアホー!」
泣いちゃう。