良きオスはシェアするが吉 2
「えっ、美浜…」
「新海って、あんた」
2人が再び視線を合わす。
お互い有名人、わかりあえることが―
「プロ棋士を目指す女の子を描いたアニメ映画でヒロインの声優をやったんだっけ?アレ、ひどい演技だったわ!それにもっと将棋のこと勉強してよね?イメージ低下につながりかねないわ!」
「あっ、あれはやりたくてやった仕事じゃないのよ!!事務所が無理やりオファー、ホントは沙綾…別の子がやるはずだったのに、あれでも頑張ったんだから!それよりあんたこそ将棋とかやってるくせに水着グラビアとかやらないでくれる?私たちの仕事とらないでよ!」
「なんですって!?」
「むーっ、むかつくーっ!」
うわぁ、火に油注いだ!?
「ちょっ、ふ、ふたりともっ、ここで喧嘩はダメだよっ」
慌てて俺は止めに入る。
「「うるさい!!」」
止めに入ったら2人から袋叩きにされた。解せぬ。
「大体あんた何者よ。私たちのパーソナルな空間に入ってこないで」
「私たちのことは知ってるくせに、不公平です」
いやそんなこと言われましても。
俺なんて2人の足元にも及ばない、か弱い一般市民なのに。
「名前と年齢と職業、ここに来た理由を述べなさい」
さすが若くして理論派棋士の瀬奈さん、手厳しい。
そして、仕方ない。正直に言うしかない。
「才川陸人25歳、無職。傷心の一人旅で来ました。童貞です」
「「童貞…?」」
ついでに白状したワードに、2人が食いついた。
そうこの2人、その世界ではビッチと噂される存在なのである。
「アンタさ」
ニヤリと怪しげな笑みを浮かべ此方を見つめる結衣さん。
さっきと明らかに態度が変わった。それが俺にとっていいのかはわからない。
「タオルを取りなさい。そしてチ〇ポを見せてみなさい」
瀬奈さん衝撃の発言。
一般的に清純派だと思われてる美少女天才棋士がその3文字を口にするなんて。
だがしかし、俺に断る権利なんて、今はない。
俺はタオルを取って、すべてを2人に晒した。
「…………なにこれ」
「…………今まで見た中で、一番のデカさだわ」
2人がポカンと口を開けて、晒された俺の股間を見て、口々に言う。
「そ、そうなの?」
自分でも自信は全くない。
童貞だから当然知らないし他人と比べたことなんてない。友達も少な…いや、いない陰キャだから…
「私たちのお墨付きなのよ。男なんだから自信持ちなさいよ」
「これでも一通りは見てきてますからね」
なんか急に意気投合してないか?さっきまでの険悪ムードがどこかへ行っている。
「「だから、あんた(あなた)の童貞、私たちで捨てさせてあげるわ」」
「へっ?」
いや待て2人とも、いったい何を言ってるんだ―
制止しようと思った時にはもう遅かった。
美浜結衣から半ば強引に腕を引っ張られてお湯の傍まで導かれ、露天風呂の縁に座らされると両サイドに結衣と新海瀬奈、美少女有名人2人にがっちり逃げられないように固められる。
「ホント、でっかいわね」
「これで童貞なんて、勿体無さすぎますね」