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淫蕩王伝―再誕―
官能リレー小説 - ハーレム

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淫蕩王伝―再誕― 90

デッドリークラブロスの外殻は市販の武器では太刀打ちできないほど硬い。
大して動きが早い訳でもないが、その大きさと硬さ故に中位モンスターとしてギルドでは認識されている訳だ。
「つぅ!!やっぱ駄目か」
全力で撃ち込んだはずのレイラは握っている両手に痺れが走った感覚が纏わり付く。
「いってぇ!!なんて硬さだ」
同じく、豊も両腕に弾かれた感覚で痺れにも似た感触を味わう嵌めになる。
攻撃を弾き返された二人を追撃するように腹部に硬い物がめり込むような感触と同時に痛みが走る。
「「がっ!!」」
二人の息が詰まり、視界が白く点滅する。
デッドリークラブロスと共生関係を築いているロックシュリンプ。
その岩の外殻が彼らが跳ねたと同時に無防備な腹を直撃したのだ。
まだまだ続くとばかりにデッドリークラブロスが鋏を振り下ろす。
それを豊とレイラはとっさに転がり避ける。
「はぁ……はぁ……くそっ!!こんなの本当に倒せるのか?」
準備はまだなのか?エリカに意識を向けそうになるのを豊は堪える。
「けど、エリカを信じるしかないよ」
直撃した腹を押さえながらレイラも息を整える。
「お待たせ!!二人とも離れて」
待っていた言葉を聴いてレイラと豊はとっさにバックステップで離れる。
「我が敵を裁け!!ライトニング!!」
エリカの指から上空へ魔力の塊が放たれ、上空から凄まじい閃光と轟音を響かせて、デッドリークラブロスに直撃。
地響きを立てて、八本の脚を立てて、胴体が地面に倒れる。
「今だ!!逃げるぞ!!」
レイラが殿を務めながら、セーラ、エリカ、豊の順に躯と化したデッドリークラブロスを乗り越えて這う這うの体で走っていく。
聖剣を目の前にして多くの冒険者が撤退せざる得なかった事態。
豊達を含めた冒険者達は失意の内に疲れきった表情で村へと帰還した。
「それにしてもエリカさん、よく倒せましたね。あれってエリカさんの切り札ですか?」
 賞賛口調で言う豊に、エリカは疲れ果てた顔で答える。
「はあ、はあ…ユタカ君のコレのおかげよ。」
「ちょっと何してるんですか?」
 ぽん、ぽんと、エリカは豊の股間を優しくたたく。
「やっぱり…朝にエリカさんを抱いていたんですね。ユタカさん、こんな事態を予想してたんですか?」
「いや、その…。」
(本当は朝立ちを犯されただけなんだけどなぁ…)
 豊は照れくさそうに頭をかく。
 そこでレイラはニヤリと笑って言った。
「エリカのことだから大方、ユタカが寝てたの起こしに行ったら、朝立ちが見事すぎてムラムラッと来たんじゃないのか?」
(レイラ、鋭い…)
 エリカの顔に冷や汗が流れる。
(やっぱ図星か。)
(エリカさん…)
(エリカさん…)
 豊とセーラは恥ずかしげに顔を赤くしている。しかも。
「あの、そろそろ離してもらえませんか?」
「あ、あら、ごめんなさいね!!」
 エリカの手が社会の窓からズボンの中に入り、豊の巨根をにぎにぎしていたのだ。慌てて手を離したエリカは、だが小声で豊にささやく。
「正直な話、魔力を使いすぎてね。後で抱いてくれない?」
「偉大なるエイリアよ、この者に我が魔力を分け与えたまえ…」
「あ…魔力が…」
 セーラが精神力を分け与える呪文を唱えたのだ。
「ユタカさん、どうやらエリカさんに魔力を分け与えすぎたみたいです。私に補充していただけませんか?」
 真顔を作って、セーラは言う。
「うん…いいけど。」
「あっセーラちゃんずるーい。」
 術語魔法には魔力を他者に譲り渡す呪文は無いのだ。
「ところで…ユタカ。それしまえ。」
 レイラの妙に冷静な声と、指指し示す先には。今の会話で勃起した巨根が、エリカが開いた社会の窓からにょっきり。豊は慌てて巨根をしまうのだった。

 帰ってきた豊たちは、酒場で会議していた。
 あちこちのテーブルで冒険者と思しき一団が集まっているのだが。
「うーん。どうするんだ?」
「デッドリークラブロスが出るなんて聞いてないぜ。」
「どうやってあいつをすり抜けるのよ。」
「レドックの奴が真っ二つにされた…あれじゃ誰も勝てねえ。」

 完全に恐怖ムードである。無理も無い。欲の力は偉大だが、死と引き換えに何かを得させるものでは無い。

「諦めるか…」
「そうだな。」
「はーあ。これで借りた金返せなくなったぜ。」

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