PiPi's World 投稿小説

淫蕩王伝―再誕―
官能リレー小説 - ハーレム

の最初へ
 27
 29
の最後へ

淫蕩王伝―再誕― 29

豊たちが家の前まで来ると、「生きてる人がいるわ!念のため神官だけ来て!」とエリカが言った。
セーラとハリーが家の中に入ると、そこにはエリカのほかに2人の村人がいた。
2人は体のいたるところに青い斑点が生じており、動けそうにないほど弱っていた。
「勇敢なるボグザよ、この者に癒しの奇跡を与えたまえ・・・・」
「偉大なるエイリアよ、癒しの奇跡を与えたまえ・・・」
かろうじて息のあった村人・・・・おそらくは若い夫婦だろう2人に、回復呪文を施す。
「あ・・・・あ・・・・・ううっ・・・・」
「ああ・・・・・・」
斑点は消えず、まだ衰弱していたが、反応はあった。
かろうじて声を上げた2人に、エリカが呼び掛ける。
「話せますか?話せるなら、何があったのか説明してください。」
「う・・・・よく・・・わ・・からない・・・が・・・斑点・・・が・・・・・で・・・だして・・・・から・・・だ・・・・・が・・・・・・うご・・・・か・・・・なく・・・・・・・な・・・て・・・・」
息も絶え絶えと言った様子で、妻と思しき女性は必死に話し出した。
「もう一度癒しを!」
エリカが言い、神官2人は急いで彼女に治癒魔法を施す。
それでも若干の改善しか見られなかったが、何とか聞き出したところによると、状況はおおよそ以下のようなものだった。
まず、20日ほど前に最初に発熱した村人がいた。
翌日には他の家にも発熱者が出始めた。
だが最初は発熱が続くだけで、変な風邪が流行っているのかと皆思ったという。
だが、数日後には、村の誰もが発熱して寝込むようになった。この時点で、3人の村のハンターが救援を求めに出た。おそらくはこれが途中で見つけた死体だろう。
さらに数日後、発熱した者の体には青い斑点が現れるようになった。
青い斑点の出た者は日増しに増え、体の斑点が増えるにつれ瞬く間に誰もが行動困難に陥った。
全身に青い斑点が生じると、たいていの者は息絶えてしまい、必死に救援を呼びに行こうとした者も村を出ないうちに倒れるありさまだった。この女性は10日前に発病したという。
そこまで聞き出した時、エリカは叫んだ。
「とにかく生存者を探して!「クアッド」の4人も参加して!おそらく・・・」
その言葉に、外にいたメンバーもエリカ達も全員が家々を手分けして調べ始めた。
その時、豊は気づいた。
「これ、キャンプファイアーの跡?」
巨大な焚火の跡があり、周囲には宴を開いたのか、酒食の跡が残っていて、あちこちに肉を取った後の大きな骨が残されていた。
「こっちに1人、生存者!」
「こちらにも1人生きてます!今から治癒します!」
あちこちの家で、生存者が見つかった。
ジークは決断する。
「生存者は神殿に集めてくれ!臨時の病院にする!」

「う・・・あ・・・・」
「く・・・る・・・・し・・・い・・・・」
村のボグザ神殿は寝かされた患者だらけになった。邪魔な道具などははほとんどが運び出されている。
治癒魔法でかろうじて話せるようになった患者から、証言をとることになった。
「あの大焚火の跡は何なのかも聞いてください。」
豊が提案した。
「そうね。聞いてみるわ。私もこれが怪しいと思ったの。」
エリカも賛同し、証言が集められた。
発病後の様子については、最初の婦人の証言とほぼ同じだったが、驚くべきはあの大焚火の跡だった。
巨大なモンスター、クロコッタ3頭が村を襲撃してきたが、ハンターを中心とした村の戦える者総出で撃破し、記念に丸焼きにして村人全員で祝宴を張ったのだという。
その祝宴を張ったのが、最初の発熱者が出る2日前のことだった。
エリカが断定調で言った。
「それが怪しいわ。こうも一斉に同じ病気になるなんて、そのクロコッタに病気をもらったとしか思えないわ。」
それを聞いた豊が言う。
「だとすると経口感染かなぁ・・・・・空気感染なら大人でもかからない人がいそうだし。」
「モンスターからうつる病気で青い斑点・・・そんな病気あったかな?」
「私も思い当たらないわ。」
ジークとジュディが次々に言った。
エリカは考え込んでいたが・・・・・・
「エルプテオ病!!」
唐突にエリカは叫んだ。
「おそらくこれだわ。一部のモンスターを食べると感染する熱病で、最後は青い斑点が出て麻痺して死ぬのよ。」
豊は言った。
「治癒魔法が使える神官まで死に掛けるなんて、恐ろしい病気だ。」
エクシスが疑問を口にする。
「治療法はないのか?」
エリカは答える。
「薬では治らないわ。高位の神官の、強力な治癒魔法をもってすれば完治するはずだけど・・・・・」

SNSでこの小説を紹介

ハーレムの他のリレー小説

こちらから小説を探す