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デッド・ショット
官能リレー小説 - 性転換/フタナリ

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デッド・ショット 30

表情を変えず冷徹に言う御剣に、ストークは余裕なのかブラフなのかおどけた調子で言い返す。
「顔が『手出したらコロス』って言ってるじゃん。俺っち、まだ死ぬ気ないから手出さないよ。それよか、大陸の某組織の動きがヤバめだぜ。多分彼女絡みじゃない?」
道化のようなストークを冷たい瞳で御剣が見返す。
「言いたいのはそれだけか、道化・・・もう言う事が無いならサッサと帰れ。ねぐらか地獄か好きな方にな」
冗談のような男と、冗談の通じない女のやり取りは確かに滑稽ではあった。

「へへっ、言われなくても戻るさ。俺っちも暇人じゃないんでね。」

ストークと呼ばれた男は傷がうそのように、飄々と歩き去って行った。

但し、一言の置き土産を残して。
「そうそう、あんたのスマイリーウィッチが手出し無用なように、俺っちのプリンセスカルテットにも手を出さないでくれよ?」

バタン。玄関の閉る音とともに、ストークは姿を消した。
「想定内とはいえ、既にこちらの動きを完全に掌握しているとはな……腐ってもミュータントの始祖だけのことはある。」

極秘裏に限られた精鋭のみで行われたスマイリーウォッチの輸送。先程殺した浅川という男も加藤ほどではないが、それなりに使える駒だった。彼女たちに手を出した彼だが、仕事はそれなりにこなしていた。彼がこちらを裏切ってまで情報を横流しするリスクを負うとは考えられない。
「ふん、まあいいわ。」

御剣は言い捨てるように呟くとミーティングルームに入った。

スマイリーウィッチに言った「1時間後」までまだ少し時間がある。

彼女はスマイリーウィッチに与える任務について頭を巡らせ始めた。
ストークには生物兵器として寿命があるのだから。

一時間後。

「今回あなた達にしてもらうのは護衛よ」

集まった五人が真剣な表情で御剣を見る。

「対象はY県にいるわ。あなた達にはY県に入ってもらってから対象と合流してもらう」


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