遊戯王〜BMG調教〜 39
MT「(だが、これであの決闘王の美少女モンスターを完全調教し、我がモノにできた、それだけでいいじゃないか)」
MTは腑に落ちない感情を誤魔化し、もう一度BMGを見つめた。
その瞳は黒く濁っており、かつての意志は全く感じない。その風貌とは不釣り合いな格好で、跪いている。
ふと見ると、MTの手札には見覚えのないカードが入っていた。
かつての決闘王は言っていた
「手札には無限の可能性がある」
MTの苦悩は新たな可能性を見出だしたのである。
【淫紋転生】
【淫紋により完全支配されたモンスターを、新たなモンスターへと転生させる。】
MT「これが可能性…ふふふ、挑むところですよ!!」
「【淫紋転生】発動!!」
するとBMGの淫紋が激しく輝きだし、そして消えた……。
MT「不発……!?まさか……!?」
BMGは何が起こったのかわからない様子であたりを見回している。
BMG「うっ……何が……どうなったの……?私は……、んっ……貴方は誰なの…?」
MT「(調教前に戻ったのか…?)」
BMGは不思議な様子でMTを見つめた。
BMG「貴方は…私のことを知っているのですか……?」
MT「なにっ!!?…記憶がないだと?」
MTはその言葉に驚き、BMGのカードを確認した。
なんと、そこにはカード名書かれておらず、テキストも白紙だった。
BMG「きゃっ……!これは……!?」
突然、BMGの周囲に丸い結界が展開された。
その結界には淫紋と同じ紋章が刻まれていた。
MT「偽りの姿ではなく…、全てを塗り替えてしまおうというのか……!!」
BMG「あんっ……!なんですか……。これは……、私の中に、ぁん、あは…ワタシは……の……あんっ!!」
結界から黒い液体吹き出し、BMGの身体にへばりつく、
BMGの身体に変化が訪れる。
髪は妖艶に伸び、妖しげな雰囲気を演出する。
その瞼には濃いアイシャドウが引かれている。胸も少し膨らみ、足はよりスラッと伸び、美しいくびれが出来あがる。
黒い液状のモノが彼女の体にまとわりつき、衣装を形成する。
黒いミニスカート。コスチューム自体の形はBMGのものと、きわどいボンテージを混ぜたようなものになっており、何よりその色合いがそう、マスターテクニシャンを思わせるものになっている。
さらに黒い液体に侵食され、メタリックなロンググローブ、網タイツに、サイハイブーツ、黒い首輪が装着される。最後に液体が頭に取りつき、バイカーキャップを形作る。
???「んっ、はぁ……、」
かつてBMGだったモノが、新しい姿となってMTの前へと現れた。
そのオンナは調教部屋をキョロキョロと見回し、ニヤリとすると、MTと同じ蝶の仮面を持ち、それを装備した。
そして、指先に魔力を込め、自分の頬に文字を刻む。
そこには【MTG】の3文字が刻まれていた。
???「んふっ……フフフ……。何をポカンとしていらっしゃるのですか……?、ご主人様……」
MT「君は…、一体……」
MTは白紙になっていたカードを見た。そこには、???の名前と効果が記されていた。
【調教師の星 マスターテクニシャン・ガール】
星6/闇属性/戦士族
ATK/2000 DEF/1700
【効果】このモンスターは「調教の星 マスター・テクニシャン」がフィールドに存在するとき特殊召喚できる。このモンスターが召還に成功したとき、フィールド上のモンスターに呪淫カウンターを一つ乗せる。フィールド上の呪淫カウンターが取り除かれたとき、取り除かれた数だけ、相手のデッキ、手札、墓地から女性モンスターを選択し、自分フィールド上の戦士族モンスターの装備カードとして装備できる。
MT「なるほど……。私自身の効果をさらに深めるカード……。パートナーとして転生したというわけですね……」