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大好き。
官能リレー小説 - 女性向け

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大好き。 7


すごくびっくりしたし、嬉しかったけど、なんの気持ちもこもっていないような機械の文字を見ると、なんだか無性に悲しくなった。

「…メール…返さないでいっか。…ただの友達なんだし…」

美晴の、諦めるという決意は固かった。


(何だよ…美晴の奴。逢いたい時に連絡すれば逢いに来てくれんじゃねーのかよっ!)

「っくしょー…」

(でも、俺は何でこんなに美晴に逢いたいんだ?何で美晴がいないと弱っちゃうんだ…?)

恭平は自分の気持ちを考えてみた。近くにいすぎて気が付かなかった想い…大切な存在。

(何なんだ?このモヤモヤは…もしかして…)

美晴が恭平を諦める決意をした今、恭平はようやく自分の気持ちに気が付きだしたのだった…


「行ってきま〜す♪」
今日の美晴はなんだか気分が良かった。なぜかというと、昨日のメールで慎介の優しさとおもしろさで今まで傷付いていた心が癒されたからだった。

「美晴!」
後ろから声がした。聞き馴れた声。

「あ、恭平…」
恭平の顔は怒っていた。
「なんで昨日メール返してくれなかったんだよ。俺は…」
恭平の言葉を遮って美晴は言った。
「ごめん!私、昨日は早くに寝ちゃってメール見てないんだよね…あ、もぉこんな時間!早く行かなきゃ!!じゃね!」
そう言って美晴は恭平から逃げるかのように走っていった。

すると後ろから足音が聞こえてくる。振り向くと恭平が物凄い形相で追い掛けてくる。私はとうとう捕まった。恭平は私を捕まえるなり凄い勢いで喋り出した。「何で逃げる!!何で俺を避ける!!」私は恭平が何を言っているのかよく分からなかった。「おまえはそんなに俺と居たくないのか?この前は俺を『好き』みたいな事言ったのに今は他の男か?」恭平は今にも泣きそうな顔をして言った。私はやっと恭平が言っていることが理解できた。私は嬉しさのあまり「それは恭平が私の事『好き』って思っていいの?」と聞き返した。恭平は私を抱き締めて「あぁ」と言った。私の目から涙がこぼれた。
「なんだ…私、恭平に告ったのになんにも返事くれないから…諦めなきゃいけないんだって思ってた…」
恭平が美晴を強く抱きしめた。
「ごめん…俺、美晴が近くにいなくなってからやっと分かったんだ。いつもそばに居てくれなきゃ俺…生きてる気がしないんだ。」

美晴の涙はなかなか止まらなかった。


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