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留守番の夜
【兄妹相姦 官能小説】

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三時の夕立『雲:渇れない涙』-1

『雲:渇れない涙』


天気もあたしも、毎日どんより、曇り空。
今年の梅雨は、悩んでいるうちに過ぎていった。
暗くて、辛くて、長ぁい梅雨…。


GWが終わる前に生理が来て、旅から帰ったお兄ちゃんとのえっちを回避することには、ひとまず成功した。
ついでに、腹痛のふりして、久しぶりの学校でもサクとの距離を広げてみた。
暗い顔して教室の隅でだんまり。
我ながら子供っぽい行動だとは思ったけど、好きかもしれないという感情を秘めたまま、上手くサクと会話する自信は無かったんだもん。

でも、夜の電話はGW以降も続いた。
「具合平気か?」ってサクが聞いてくれたけど、「お腹痛いから今日は寝る」と言って電話を切ってしまった。
本当は、お腹じゃなくて胸が痛かった。
そうやって電話を誤魔化し続けたのに、サクは懲りずに毎晩かけてくる。
たぶん、あたしが避けているのに薄々気付いていて、貴重なセフレを失わないように監視しているんだろう。
ただ、あたしがいつも早めに電話を終わらすので、お兄ちゃんにバレた気配は無いのが安心。


悩みは、なかなか解決しなかった。
…あたしはサクを好きなのか?
…お兄ちゃんとの事はどうしたら良いのか?
悩むことが自分への最低限の責任だと思って、悲劇のヒロインよろしく悩みまくった。
その間も、お兄ちゃんに怪しまれない程度にえっちしたり、回避したり。
サクにキレられないぎりぎりで抱かれて、こっそり泣いて。

母親には、また痩せた?って言われてドキッとしたけど、どうやらあたしは反抗期まで発症したらしく、放っといてよ!とキレてしまった。
今考えればなんでキレたのか、母親は戸惑ってただろう。
情緒不安定ってコワイ。

ただ、結衣の前でだけは、明るく振る舞えた。
もう色々と詮索することはなく、見守っていてくれる感じ。
こういう所で気が合うから、結衣と一緒にいるのはラクなんだ。
良い友達を持ったなぁってつくづくホッとする。
波のように、悩みが心の中に満ち引きする毎日。



…ある梅雨の土曜日、午前3時。
そろそろ寝よっかな、って時に、お兄ちゃんが帰宅した。
お兄ちゃんは湿った前髪で、服に外の雨の匂いがした。
雨で明日の部活は休みだから、結局断れず、酔っぱらって強引なお兄ちゃんを部屋に入れてしまう。
いきなり、むぁっとしたキス…まだ知らないお酒の味。
不味いのに、その強引なキスにサクを連想させられて、抵抗が緩んだ。

「…っ、ぁふ、ん…!」

甘い声が一度でも漏れたら、それはOKの合図。
お兄ちゃんのしつこくて繊細な愛撫に、だんだんと悩みと理性が心の奥深くに押しやられていくのが分かった。

「…っあ!」

優しく乳首をつままれて、声が跳ねる。
このところ何度か痛がったせいか、あまり強い愛撫はされなくなった。
…サクなら平気なのに。

そう、こうやってたまにサクを思い出しては、あたしの体は開いて、潤んでゆく。
でも、お兄ちゃんの指使いは、あたしのイイトコロを知ってて焦らしてくる。
そんな所はサクとは違うのに…


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