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裏路地の女
【その他 官能小説】

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裏路地の女-4

涼太は歩きながら
この裏路地にきたあの夜のことを思い出していた。


あの夜、涼太が裏路地を歩いているとき、或る女が声を掛けてきた。

「お兄さん、ちょっと・・」
「あ、はい」
「若い子がいるよ」
「え、おばさんじゃないの?」
「違うわよ、ピチピチとしたもっと可愛い女の子よ」

女は涼太の顔をしげしげと見つめながら言った。

涼太はドキドキした。
ここに来るまでは、大体は派手そうな女が自分に言葉が掛けたが
涼太にはそれがどうも馴染めなかった。
女達の声を聞き流しながら、路地の奥に着てしまい諦めていたときだった。

その女は今までの女達と違い
派手でもなく、厚化粧をしてもいなかった。
見た感じでは人を騙すような女には見えなかった。

いわゆる遣り手女と言って
現役を終え、今は男にあてがう女を紹介するのが主な仕事であり
自分では直接には客の相手はしない。
勿論、その何割かは当の女から手数料として何割かを貰うことになる。

涼太は、少し安心してその女を見た。

「それって、どんな人?」
「その子の写真があるよ」
「え・・写真あるの?」
「あるよ、見たいかい?」


その女は若くはないが、前は綺麗な女だったようで
今は現役を退いている。

涼太はその女が見せた写真を見た。
その写真に写っていた若い女は大人しそうな顔をしていた。
可愛く、ぽっちゃりとしていて、涼太は一目でその女が気に入った。
自分の好みだからだ。
しかし、どこかで見たような気はしていた。

「本当に、この写真の子かい、おばさん?」
「そうよ、逢ってみて気に入らなければ、それでも良いからさ」
「分かった、それなら良いよ、場所は何処?」
「この裏のアパートの2階にいるのよ、その子」
「へえ、ところで、お金はいくら?」
「そうね、大一枚半で良いよ、可愛い子だからね」

涼太は財布の中身を思い出し(それくらいなら良いか)と考えた。
彼はその女の後に着いていった。
その場所はすぐ裏だった。

2階建てのアパートであり、そこにはいくつかの部屋があるようだ。
或る部屋には灯りが点っていた。
すでに客と女がそこで性の饗宴が行われているようである。


女は2階の角の部屋の前に着て、扉をノックした。

「わたしだよマリア、開けて」
「はい」

その声と同時に、部屋の扉がゆっくりと開けられ
そこから若い女が顔を出した。

その女の顔を見て涼太は(あっ!)と叫んだ。



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