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裏路地の女
【その他 官能小説】

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裏路地の女-1

その日も陽が落ちて
辺りにうっすらと暗闇が訪れる頃、女達はそこへ立っていた。

どこからか聞こえてくる古いラジオからは
懐かしい演歌が流れ、寂しい女の心を唄っていた。


「流れ流れて 来ました この女の街へ
棄てられ 傷つき さまよいながら 行き着く果てにたどり着く
ここは女の棄てどころ・・・

女に生まれ 幸せ薄い わたしはひとり ただ一人
それでも いつかは幸せが  
強く生きます 生きていく わたしは寂しい路地裏の女

涙も枯れて・・・」


売れない三流歌手のかすれた歌声が、その場所には何故か似合う。
人通りのにぎやかな表通りから脇道を入り
少し曲がった角がそこだった。

気を付けなければ、そんな裏町があるとは誰も気が付かない。
寂れたそこは、まるで別世界のようだった。
あまり明るくないその一体は、いわゆる色街とも言う。

男達の快楽の為だけに存在する特有の場所である。
そこは、薄ぼんやりとした裸電球の灯りが点いているだけだった。

そのオレンジ色の街灯が何故かうら寂しい。
薄明かりの角には女が立っていた。
ところどころに或る間隔を置いて、女達が立っている。


薄暗闇のなかで少し派手な服を着て、客を引く。
あまり若くない女が多いが、中には若い女がいることがある。
ここには身を崩し、行き先のない様々な女達が集まってくるのだ。


煙草をくゆらせ、物憂げな眼で闇を見つめ
ふうとばかりに紫色の煙を吐く。
胸は大きく開き、今にも乳房が飛び出しそうな女もいる。
スカートは短くして、悩ましい太股を見せつけ男を誘う。


豹のような眼をし、妖しい眼で客の男達に媚びを売るが
その眼の奥には切なさと虚しさが何故か漂う。

ときどき冷やかしの男達が通りかかると煙草をもみ消し
慌てて甘い声で声を掛ける。

「ねえ、そこのお兄さん、遊んでいかない?」
少しほろ酔いご機嫌な男は、酔った眼で女を上目遣いでみる。

「おぉ、ねえちゃん、いくらでやらせてくれるんだい 」
「いきなりだね、そうだねぇ、大一枚半でいいわよ、サービスするよ」
「一枚半かぁ、俺は今飲んでるから立たないや・・また来るな、あばよ」
「なんだい、冷やかしかい・・」

男は薄笑いを浮かべて後ろを向き、舌を出し歩き出した。
女にそう言いながらも、帰ることなく他の女を漁り歩いている。

(あんな女じゃな、もっと良い女を見つけよう)
どうやらこの男は、さっきの女は好みの女では無いらしい。

女は(チェッ・・)と舌打ちし、フンとばかりに鼻先で笑う。

こういう男達が興味本位で通り過ぎていったり
気に入った女がいれば女との商談は成立し
男と女はラブ・ホテルや安いアベック旅館などへと消えていく。



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