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ゼビア・ズ・ストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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金色の双眸-4

「うぉっと」

 顔スレスレに通り過ぎるバスタードソードにアースは更に2、3歩後退した。

「ぬ……よけたな」

「よけねぇと当たるじゃねぇか!」

 会話をしつつも2人の激しい攻防は続く。

「はぁ……誰か止めてくれ……」

 ベルリアはうなだれてため息をつく。
 これが始まると最低でも1時間は続く。
 だから、スオウが来るとわかった時点でアースをさっさと帰そうと思っていたのだが、スオウが来るのが早かった。

「魔法で止めれないんですか?」

「今、実技場は魔法が使えない状態に切り替わっているんだ」

 魔法が使えない状態でも、ある程度動けるように訓練する授業もあるため、その状態を作り出すシステムが備わっている。
 その事を知っているスオウは、アースに魔法を使わせないためにわざわざ切り替えていた。

「切り替えたらしばらくはそのままなんだよね……」

 システム改善の必要があるな、とベルリアが考えているとキャラが武器庫へと移動する。

「キャラ?」

 不思議な顔で見つめるベルリアに片刃の長剣を手に取ったキャラは振り向く。

「止めたらボーナスくれます?」

「そりゃあ……まあ……」

 ベルリアの答えに満足そうに笑ったキャラは長剣を鞘から引き抜き、見学スペースから飛び降りる。
 戦い続ける2人に無造作に近づく女性に気づいた見学者達がざわめき始めた。
 アースとスオウは戦いに夢中でキャラに気づかない。
 近づきながらタイミングを計っていたキャラはふいに姿勢を低くして走り出す。
 アースとスオウが互いにソードを振りかぶった瞬間、キャラは2人の間に割り込んだ。

「!!!」

 会場全体が息を飲む中、キャラはスオウのソードの腹に回し蹴りを食らわせて地面に叩きつける。

「うおっ!」

 スオウはソードもろとも地面に倒された。
 右足でソードを踏みつけたまま膝立ちになっているキャラの頭上にアースのロングソードが迫る。
 キャラは長剣を斜めにして頭上に掲げ、アースのロングソードを受け、刃を這わすようにして流す。
 ギャリギャリッと刃が擦り合う音と火花が飛び散る。

「!」

 勢いのまま地面にソードを食い込ませ、バランスを崩したアースにすかさずキャラが脚払いをかけた。

「ぐはっ!!」

 地面に倒れ込んだアースの背中を、立ち上がったキャラが踏みつけ、体を起こそうとしているスオウの首に長剣をピタリと当てた。

「2人とも視野が狭い!」

 だから横からの攻撃や予想外の動きに対応出来ないんだ、とキャラは説教する。


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