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ゼビア・ズ・ストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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金色の双眸-5

「……キャラ?!」

「ま…参った……」

 意外な参戦者にアースは度肝を抜かれ、長剣を突きつけられたスオウは素直に降参した。
 キャラは長剣を引きアースを踏みつけたまま見下ろす。

「頭に血が登ると周りが見えなくなるのはアンタの欠点だな」

 瞬時の出来事に静まり返っていた実技場がワァっとばかりに沸き立った。

「すっげー速ぇ!今の見えたか?」

「かっこいい♪」

「冷静だなぁ……」

 様々な賛辞が聞こえる中、いまだに地面に転がっている男2人は物凄く居心地が悪い。

「はい。終了」

 パンパンッと手を叩いて実技場に降りてきたベルリアの言葉に見学者達は興奮しながらも帰っていく。
 キャラはアースから足をのけて長剣を軽く振る。

「キャラ、助かったよ。ありがとう」

 まさか本当に止めてくれるとは思ってなかったベルリアは心から感謝する。

「……何者なのだ?」

「お前……すげぇな」

 立ち上がりながら男2人に話しかけられたキャラは簡単に説明する。

「前に爺さんに育てられたって話したろ?爺さんは古武術の道場やっててそこの師匠。オレはそこで育ってるから英才教育みたいなの受けてたからな。一応師範代だよ」

 そこでは体術は勿論、多種多様な武器の扱いも仕込まれる。

「はぁ〜…」

「騎士団に入らぬか?」

 感心するアースと、勧誘するスオウ。

「オレは他国の人間だから騎士団には入りませんよ」

 もし、ゼビアとキャラの祖国であるファンが争うような事になったらおかしくなる。
 それならばしかたがない、とスオウは諦めた。

「……で?スオウ団長。何用で来たんだい?」

 まさか、アースと戦うためだけに来たわけじゃないだろう?と言うベルリアに、スオウはそうだった、と用件を話す。

「国王からの依頼だ。長くなるから場所を移ろう」

 国王からの依頼と聞いてアースとベルリアは怪訝な顔を見合わせた。

「スネーク?」

 キャラを家に帰し、リンを呼び出して学長室に移動したアース達はスオウに話を聞いて、なんだそれ?と聞き返す。

「隣国セブの人身販売組織で、最近急速に力をつけて大きくなってるみたいでな、それが、この国にまで手を出し始めたのだ」

 ゼビアでは人身販売は禁止されているが、他国では需要があるのでこの手の犯罪は後を絶たない。


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