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『あるM女の告白』
【SM 官能小説】

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第3部 ご主人様への飛翔-1

1.呪縛の消滅

次の日の朝、私はいつもよりずっと早く目覚めました。
私には起きたらすぐに、やってみたいことがありました。
おばあちゃんの部屋に、行ってみたかったのです。
急いで歯磨きと洗面を済ますと、私はパジャマのまま、おばあちゃんの部屋に
向かいました。

母屋と離れをつなぐ廊下を何の問題もなく通過し、私は6年以上遠ざかってい
た部屋に入りました。
長年私を縛っていた呪縛は、ご主人様のお蔭でもう消滅していたのです。
おばあちゃんの部屋は、今はほとんど使われていないし、おばあちゃんのもの
もほとんどが隣にある物置代わりの部屋に運ばれているので、がらんとした感
じになっていました。

でも、おばあちゃんが趣味で作っていたキルトがいくつか壁にかけられていて、触ってみるとおばあちゃんのにおいがするような気がしました。
物置代わりになっている隣の部屋にも、入ってみました。
ここには、パパとママが使っていたものも、ほとんど全部がそのまま置いてあります。
今は私の母である叔母が、私のためにそのようにしてくれていたのです。
私は、目についたパパとママの遺品のあれこれを、開けてみたり触ったりしました。

そして、パパとママとおばあちゃんに、
「長い間ほったらかしにしていてごめんなさい。
これからは、私の心の中でずっと一緒にいてもらうから、許してね」
と謝りました。
そのとき私は、私の部屋を今の部屋からおばあちゃんの部屋に替えてもらおうと、心に決めました。
そうすれば、私はいつもパパやママやおばあちゃんの遺品とすぐそばにいられるし、2人で1つの部屋の弟たちも今の私の部屋を使えば1人1部屋になるので、喜ぶに違いないと思ったのです。

母屋へ戻ったら母に会ったので、
「お母さん、お早う。
私、今、おばあちゃんの部屋に行ってきたの。
長い間、心配かけてごめんなさい。
でも、もう大丈夫!
パパとママが亡くなったことに、心の整理がついたから」
というと、母は目を丸くして驚き、
「えーっ、ホントなの!? 麗ちゃん、いったいどうしたの?」
といいました。

「ゆうべ、パパとママが夢に出てきたの。
そして、『もう大丈夫、おばあちゃんの部屋にも行けるよ』って、いってくれたの。
それで、今朝試してみたら、行けるようになっていたの」
私がそういうと、「よかった。よかった」とすごく喜んでくれました。
おばあちゃんの部屋に移りたいというと、私さえ大丈夫ならと許してくれました。

母がそのことを父や弟たちにも知らせたので、その日の朝食はとても賑やかなものになりました。
不思議なことに、今の家族が今までよりもずっと身近になったように感じました。
パパやママが私の心に戻ってきたことで、今の家族にも知らず知らずのうちに張っていた心のバリアが、消えていたのです。




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